第27話 これは何だ?

「じゃあ何して遊ぶ?」


 ん? そういえば……

 これから4人で遊ぶ事になったので流れでつい聞いてしまったが昨日の事を思い出した。聞いた所でまともな答えは返ってこないだろう。


「とりあえずデザートでも食べに行く?」


 ……思ったよりかはまともだった。しかし俺はお腹いっぱいだ。


「今、ご飯食べたばかりなのに? 俺はもう入らないぞ?」


「甘いものは別腹だよ〜♪」


 舞がそう言うので莉子と沙耶香にも聞いてみたが食べに行きたいみたいだ。2人も甘いものは別腹みたいだ。

そして食べに行くのはどうやら学食みたいだ。土日もやってるみたいでうちの学校の生徒しか入れないみたいだが土日限定のスイーツがあるみたいでカフェ感覚で行く人や部活生等で土日も多いらしい。


 先に言っててほしかったよ。おにぎりもう1つ頼まなきゃよかった……


 学食がある学校へと向かう中、舞と莉子が会話をしていたので俺は沙耶香に話しかけた。


「沙耶香はもう俺達にはすっかり慣れたみたいだが、まだクラスの人に声を掛けれそうにないのか?」


「そうだな……涼太達4人とは全然緊張しなくなったのだが、クラスの人とかになるとどうしても緊張してしまいそうだ」


「そうか……でもまぁ俺達とはこうして仲良くなれたんだ。クラスの人達も沙耶香の事分かってくれたら仲良くなれるはずだ」


「そうだといいんだがな」


 きっとなれるはずだ! と俺は思っている。沙耶香は見た目や緊張すると威圧的なオーラが出て怖い人に見えるが中身は可愛いらしい乙女だ。話してみれば分かる。俺も初めて沙耶香と会った時は怖いと思ったもんだ。


 ……あれ? そういえば初めて会った時、沙耶香は授業サボってたよな?


「涼太、どうしたんだ?」


「えっ? あぁ、ちょっと沙耶香と初めて会った時の事思い出してな」


「私と?」


「俺も最初に沙耶香と会った時は見た目とか授業サボってたし怖い人かな?って思ってしまったなって」


「あぁ、確かにそうだったな。その、どうしてもだな……クラスでペアを作ってやる授業は嫌でついサボってしまうんだよ」


「あぁ〜なるほど。……ん? でも俺が転校してきた日は学校来てないって言ってなかったか?」


「あぁ、先週の月曜日だろ? 体調崩して休んだんだ」


 そういう事ね。やっぱ沙耶香は不良なんかではなかった。ただ物凄く勘違いされやすいだけだ。



 そうこう話してると学校へ到着したので学食へと向かった。

 学食はたくさんの生徒で賑わっていた。みんな制服ではなく私服だし学食の雰囲気がカフェみたいになってる。

 なんか全然違う場所に来たみたいだ。


 土日限定のスイーツがある為か見本が券売機の横に置かれていた。

 舞達は見本を見ながらデザートを選んでいる。俺も歩いたら小腹が空いてきた。何か食べようかな?


「あっ! お兄ちゃんもやっぱ食べるの?」


「歩いたら小腹が空いて食べたくなってきたんだよ」


「そうなんだ。じゃあお兄ちゃんもいるし4人でこれ頼まない?」


 舞は見本のケーキとかではなくメニュー表に書いてあるやつを指差した。


「これってパフェか? これの見本はないんだな? それに4人でってそんなに量あるのか?」


「うん、4人なら大丈夫だと思う」


 ん? 4人なら? 足りるのかどうか聞いたつもりなんだが食べきれない方なのか? 嫌な予感しかない。

 俺が返事をする前に3人でもうそのパフェに決定したみたいで頼んでしまった。


 そして出てきたパフェは見た事がないくらいの量だ。もはやパフェなのかも分からない。


「これは何だ?」


「超欲張りパフェDXだよ♪」


「欲張りすぎじゃないか? こんなに食えるのか?」


「お兄ちゃんいるし大丈夫♪」


 ……マジか? しかしよくこんな器があるもんだ。


「一度、挑戦してみたかったんだよ。1人じゃ絶対無理だからな」


「美味しそう」


 沙耶香と莉子も食べる気満々だ。

 すげぇ、俺は見てるだけでもう胸焼けが……


「お兄ちゃん、食べないの? 無くなっちゃうよ?」


 ……これが無くなるだと? 別腹というか胃袋が異次元レベルだぞ?

 3人の手は止まる気配はない。なんか見てるだけで満足なのだが、まぁ俺も少しぐらい食べよう。

 めっちゃ美味い。しかも甘すぎず丁度いい。これなら思った以上に食べれそうだ。しかし、ここで作ってる人達何者なんだ? 何を食べても美味すぎる。


 そして4人で『超欲張りパフェDX』を完食した。俺も何だかんだ言いながら結構食べてしまった。おかげで暫く動けそうにない。

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