White〜俺の周りがぶっ飛んでる気がするがおかしいのは俺なのか？

第24話 見てみたい気もする

「やっぱり、涼太はこうであってくれないとな」

　美佳は脱衣ババ抜きに負けて下着姿になった事で俺が鼻血を出したので満足したようだ。

「下着まで脱いでたらお兄ちゃん、鼻血止まらなくなってミイラさんになるとこだったね」

　舞まで揶揄ってくる。仕方ないだろう？　こっちは健康的な男子高校生だ。……女子高に通ってるがな。

「もういいだろ？　早くパジャマを着てくれ」

　俺は鼻にティッシュを詰め込んだままベッドに仰向けになった。

「え〜？　どうしよっかな〜？」

　美佳はニヤニヤしている。まだ揶揄い足りないのか？

「お兄ちゃん、まだ私達のパンツ見せてないよ？」

「だから見せなくていい！」

「えー！　せっかく可愛いのに……」

　舞はガッカリしている。というかやっぱ見せたいんだな……

「今見たら鼻血がいつまでも止まらないだろう？」

「もー！　お兄ちゃんえっちなんだから」

　……俺が悪いのか？　理不尽だ。

　そして4人はようやくパジャマを着てくれた。次に何するか相談しているが俺は暫く動けない。

「あっ！　今、お兄ちゃん動けないから今のうちに誰がお兄ちゃんの横で寝るか決めようよ？」

「待て！　どういう事だ？」

　しかし俺の言葉は無視され話は進んでいく。

「じゃあ涼太の両隣りが空いてるから定員は2名だな？」

　……沙耶香まで何を言っている？

「だから待て！　何でここで……というか俺と一緒に寝る事になってる？」

「えっ？　だってお客さん用のお布団2組しかないんだよ？」

「だったら舞の部屋に布団を敷いて舞のベッドもあるんだし1人、1人、2人で寝ればいいだろ？」

「せっかくだしみんな同じ部屋で寝たいでしょ？」

　舞の言葉に3人は頷く。

「なら、布団に2人ずつ寝ればいいだろ？」

「その選択肢はないよ〜」

　……何でだよ？　俺の意見はことごとく却下されていく。

　お前等そんなに俺の事が好きなのか？　と思ってしまうがそうとは限らない。この4人は何を考えているのか分からないからだ。ただ『面白そう』という事だけでこの4人は突き進んで行ってしまう。

　いや、この4人だけではないな。こっちに来てからそんな人ばかりだ。母親もこっちに来るまであんなにぶっ飛んでなかったはずなのにもうこっちに順応してしまったのか？

　……そういえば校長は今もあのイベントやってるのだろうか？

　などと考えているうちに勝手に勝負内容が決まっていた。

　どうやらティッシュで細長い針状のこよりを作り、それを鼻の中にいれて刺激させどれだけ長くくしゃみを我慢できるか？　というものだ。長く我慢出来た2人が俺の横で寝るらしい。

　何故こんな勝負になったのか聞いたら俺が鼻血を出し鼻にティッシュを詰めてるのを見てたら自然とそうなったらしい。

　しかも公平を期す為に自分自身でこよりを鼻の中に入れるのはではく我慢する者に対して2人で鼻の左右どちらにもこよりを入れて1人は計測役になるみたいだ。なんて恐ろしい事を……考えただけでくしゃみをして鼻に詰めてるティッシュを飛ばしそうだ。

　そして4人は順番を決める為にジャンケンをしている。……ってかジャンケンするならそれで決めればよくない？　と思うのだが勝負してる所を見てみたい気もするので黙っておいた。

　最初に我慢するのは莉子みたいだ。こよりを入れる役は美佳と沙耶香。計測役は舞だ。そして2人は莉子の鼻の中にこよりを入れた。

　……くちゅんっ

　結果は3秒だ。まぁそうだろう。見てるこっちまで辛くなる。我慢出来るものではない。

　次に我慢するのは沙耶香だ。こより役は舞と莉子、計測が美佳だ。そして2人はこよりを鼻の中に入れた。

　……すげぇ！　沙耶香のやつ耐えてやがる。

　……くしゅんっ

　結果は21秒。これはなかなか凄い。

　次に我慢するのは美佳だ。こより役は舞と沙耶香、計測が莉子だ。2人がこよりを鼻に入れた。

　美佳もなんとか耐えている。

　……ぶぇっぐじょん

　結果は19秒。美佳も頑張って耐えていたが沙耶香にあと一歩及ばなかった。この時点で沙耶香は決定となり、あとは舞の結果次第だ。

　最後は舞の番だ。こより役が美佳と莉子、計測が沙耶香だ。2人はこよりを鼻に入れた。

　舞も頑張って耐えている。

　……ん？　長くね？　おそらくもうとっくに沙耶香の記録も抜いているのだろうが2人は止めず舞はひたすら耐えている。とにかく2人は舞にくしゃみをさせたいみたいだ。

　……くしゅっ

　結果は1分37秒。圧倒的だった。これで舞と沙耶香に決まったのだが本当に横で寝る気なのだろうか？　そんなにこのベッド広くないぞ？

　まぁ今考えても仕方ない。寝ると言った時間までまだ1時間以上はある。

　俺の鼻血も止まったので寝るまでの間、みんなで今度はトランプの7並べをして遊ぶ事にした。