第23話 刺激が強すぎたみたい

「ほら、涼太どうだ? 可愛いだろ?」


 ババ抜きで負けた美佳がパジャマの上を脱ぎ、ブラジャーを隠す事なく見せてきた。


 きっと俺が恥ずかしがる姿を見るのが楽しいのだろう。しかし俺はもう吹っ切れた。そんなに見せたいのならじっくりと見てやろう。


 色は紫色で俺には可愛いと言うよりはセクシーな印象だ。それにさっきは一瞬だった為分からなかったがこうして見るとなかなかデカい。着痩せするタイプか? などと考えながら見ていると


「……えっ? あれっ? 涼太どうしたんだ?」


 美佳は思っていた反応とは違いじっくり見られて次第に恥ずかしくなってきたのか両腕で胸の部分を隠してしまった。


「いや、いっそのことじっくり見てやろうと思ってな。可愛いと言うよりセクシーだな?」


「なっ……」


 俺が感想を言うと美佳の顔が真っ赤になった。恥ずかしいという気持ちはあったんだな。変態じゃなくて安心したよ。……しかし、やはりじっくり見るのはヤバかっただろうか?


「くそ〜! 涼太もなかなかやるじゃないか。負けたよ」


 美佳は冷静さを取り戻したみたいだ。それにそんな心配は不要だったみたいでどうやら勝ったみたいだ。他の3人は笑っているが……よく笑えるよな。


 まぁこれで服を脱いで揶揄うのは無駄だからこのルールは無しにするか聞いたのだが続行するみたいだ。やはり何かバツがあった方が盛り上がるとの事だ。


 そして2回戦目が始まったのだが今回は1回戦目と違い表情や分かりやすいシャッフルはしなくなった。まぁそれでjokerがどこにあるかすぐ分かってたから流石にみんな気づいたのだろう。これから先は真剣勝負だ。


 2回戦目は莉子が負けた。そして莉子がパジャマの上を脱いだ。小ぶりなお胸に着けているブラジャーは白と水色の縞々柄だ。これは違った意味で可愛らしい。


 3回戦目は沙耶香が負けた。沙耶香もパジャマの上を脱いだ。緑色の可愛らしいブラジャーだ。それに美佳といい勝負なぐらいデカい。


 4回戦目は舞が負けた。舞もパジャマの上を脱いだ。純白のブラジャーだ。勿論、ブラジャーも可愛らしいのだがそれ以上に目が奪われるのは胸のデカさだ。大きいとは思っていたがここまでとは……


 3人のもじっくり見てそれぞれ可愛らしいと感想を言うとテレながらも『ありがとう』とお礼を言われた。


 もうこの状況はよく分からない。 

 しかしみんな都合よく負けてないか? まぁ次に俺以外の人が負けたらこの勝負も終わるだろう。流石に下着まで脱がせるわけにはいかない。心配なのはこの4人、パジャマの下を脱ぐ前にブラジャーを外さないかだ。みんなぶっ飛んでいるので可能性はある。

そうなれば止めるしかない。


 しかし次に負けたのは俺だった。仕方なく俺もパジャマの上を脱ぐ。4人は俺の上半身をじっくり見ている。男なので別に構わないのだが、そんなに見られるとやはり恥ずかしい。


「涼太は男だからハンデとして、もう1枚な?」


 美佳が突然とんでもない事を言い出した。

 ……ってかハンデって何だよ? ババ抜きに男女関係なくない? しかしこの脱衣ババ抜きを終わらせるチャンスだ。正直、パジャマの下を脱がれると今はなんとか冷静さを装っているがおそらく鼻血が出るだろう。幸い俺の息子も今は落ち着いている。


「よし、分かった。 脱いでやろう。しかし下着まで脱ぐわけにはいかないだろう? ならこの脱衣ババ抜きはこれでお終いだ」


 俺はパジャマの下を脱ごうとしたら美佳が止めに入った。


「涼太、待て! やはりババ抜きに男女は関係ない。ハンデは無しだ」


 ……やっぱお前脱ぎたいんじゃないの?


 そして4人は下着を脱ぐのも構わないと言っていたが俺が必死に説得してようやく納得してくれた。だが何故俺が説得しなければならないんだ?


 そして脱衣ババ抜きのラストゲームで負けたのは美佳だった。

 美佳はゲームに負けて悔しそうなのだが……さっ! とパジャマの下を脱いだ。


「ほら、涼太! これならどうだ?」


 美佳は完全に下着姿になった。パンツの方もセットなのだろう、同じ紫色だ。しかも両サイドを紐で結んでいる。いわゆる紐パンというヤツだ。

 やはり俺には刺激が強すぎたみたいで鼻血が出てきた。


「わー大変! お兄ちゃん鼻血出てる」


 舞がすかさずティッシュを取ってくれて俺は鼻にティッシュを詰めた。


「あははっ! いや〜、これが見たかったんだよ」


 ……美佳はそこまでして俺を揶揄いたいのか?

 こうして脱衣ババ抜きは終了を迎えた。

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