第11話 学食……?
その日の昼休み俺達は沙耶香を誘って中庭で食べる事にした。
いつも1人で食べてるのだろうから誘わないか? と美佳が言い出したのだ。それには反対する者もいない。
しかし3人共凄く懐いたものだな。
沙耶香に連絡を入れるとすぐにOKの返事を貰えた。
中庭で待っていると沙耶香はすぐにやって来た。
「遅くなってすまないな」
「いや、俺達も今着いたとこだ。じゃあ食べようか」
俺達はベンチに座り弁当を食べ始めた。
しかし中庭もなかなか広いしベンチの数等も多い。外で食べるのも悪くない。
「沙耶香さんはいつもお弁当なんですか?」
舞が沙耶香の弁当を見ながら聞いた。
「いや、いつもではないんだ。自分で作ってるから寝坊した時とかは学食に行ったりもするよ」
「へ〜うちも舞が母親と作ってくれてるからありがたいが沙耶香も自分で作ってるんだな」
「あぁ、両親が忙しいみたいで作る暇がないみたいでな。まぁ仕方なく作ってるって感じだよ」
「沙耶香さんの凄く美味しそうです。私のおかずと何か交換してくれませんか?」
舞は沙耶香の弁当に興味津々だ。
「あぁ、勿論いいぞ」
「えー、私も何か交換して下さい」
「私も」
美佳と莉子も交換して欲しいみたいだ。俺も食べてみたいがわざわざ舞が母親と一緒にとはいえ作ってくれた物だ。だから交換はやめておこう。
そして弁当を食べていると何やら視線を感じる。あたりを見渡してみると中庭で食べてる人は少ないがこっちを見てる人達がいた。やはり男の俺がここにいるのが珍しいのだろう。
ん? 注目……そうだ。
「なぁ、明日からしばらく学食で食べないか?」
「えー涼太がいると注目されるじゃん」
「だからいいんだよ」
俺がそう言うとみんなどういう事だろう? と頭の上に?マークを浮かべた。
「俺達が学食で食べてると俺が珍しくて注目されるだろ? それと同時に俺達と一緒にいると楽しそうにしてる沙耶香の姿も大勢の人に見せれるはずだ。そうしたら怖いイメージとかなくなっていくんじゃないかなと思って」
「おぉーなるほど。いい考えじゃないか」
「お兄ちゃん、すごーい♪」
「やるじゃないか」
3人が俺を褒めてくれる。俺も我ながらいい考えだと思った。
「しかし、そこまでしてもらっていいのだろうか?」
沙耶香は俺達に迷惑がかかると思っているようだ。
「俺もこの学校に来た時は目立つのはあまり好きじゃなかったが気にする事はない。使えるものは使っとこうぜ」
「そうそう、私達に出来るのはそれぐらいしかないかもだし沙耶香さんの役に立つなら全然大丈夫です」
「みんなありがとう」
俺と美佳がそう言うと沙耶香も納得してくれた。こうして明日からは学食で食べる事になった。
「俺はまだ学食行った事ないけどみんなのおすすめとかあるか?」
俺がみんなに聞くとまず美佳が答えた。
「やっぱ気まぐれ定食かな」
それ本当に人気なんだな……
次に莉子が答えた。
「私はパンケーキかな」
学食にあるんだ……
次に沙耶香が答えた。
「私は石窯で焼いてるピザだな」
石窯? 本格的すぎない? 何であるの?
俺の想像してる学食のメニューではないので参考にできなかった。
「私は地獄ラーメンの閻魔レベル♪」
舞もこの前聞いたラーメンの名を言った。すると沙耶香が
「凄いな。閻魔レベルとは。私はザコ鬼レベルで結構ヤバかったぞ」
「えへへ、辛いの好きなんです。でもこれより上は流石に辛すぎて無理でした」
まだ上があるのか? しかもザコ鬼レベルって……基準がわからん。
学食の話をしていると昼休みも終わりに近づき俺達は沙耶香と別れ教室へと戻る。
午後の授業中は学食の事で頭がいっぱいだった。
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