第5話  ダメだろ……?

「お兄ちゃんーご飯できたよー」


 舞が呼びに来てくれて俺は目が覚めた。

 よほど疲れてたのか横になってすぐ眠れたみたいだ。


「あぁ、今行くよ」


 俺は返事をしてリビングへと向かった。


 俺が寝てる間にお義父さんも帰ってたみたいだ。食卓には家族4人が揃った。


「いただきます。」×4


 今日の夕飯は唐揚げだった。とても美味い。


「涼太君、学校はどうだった? 楽しかったかい?」


 お義父さんが聞いてきた。


「いや〜とても驚きましたよ。ほんと先に教えてほしかったです……」


「お兄ちゃん人気者だったよ〜♪」


 ……だから違うって。


「ははっ、そうかお父さんも頑張ったかいがあったなぁ。」


 頑張らないで欲しかったよ……


「校長先生とは古くからの友人と聞いたけど付き合い長いんだ?」


「あぁ、小学校からの付き合いでな。昔よく2人でイタズラしたものだ」


 この2人今も変わってないんじゃ……


「後は舞が学年1位ってのも驚いた。そんなに勉強が出来るなんて凄いよ。」


「あら〜舞ちゃん凄いのね。涼太にも教えてやってくれない? この子本当勉強ダメなんだから」


 母親よ一言余計だ。


「えへへー。お母さん任せといてよ♪」


 舞のやる気が上がった。手加減してもらいたいぐらいだ。


 会話もはずみ食卓も賑やかだ。

 前は母親も仕事でいない時が多かった為1人で食べる事が多かった。


 まぁこういうのも悪くないな。


「ごちそうさまでした」


 夕飯を食べ終えとりあえず部屋に戻る。


 先に明日の準備しとくか。

 しばらくしてお風呂に入ろうと脱衣所へ向かう。

 漫画とかだとこういう時開けたら妹が入ろうとしてたりして出くわす所だな。


 トントン、一応ノックをしてみる。


 返事はない。よし、大丈夫だな。

 中に入りドアを閉め服を脱ぎ始めた。


 ガチャ、その時脱衣所のドアが開かれ舞が立っていた。


 俺が覗かれる方なのかよ……


「あっ! お兄ちゃんもお風呂?」


「えっ? ……あぁ……ってストーップ!」


 舞は脱衣所の中に入ってきて服を脱ぎだそうとしていた。


「何故服を脱ごうとする?」


「えっ? やだな〜お兄ちゃん。服来てお風呂入るわけないじゃん」


 舞は笑ってる。

 それはそうだが今は意味が違う。


「いや……だから俺が今から入ろうとしてたんだよ」


「うん。一緒に入ればいいじゃん。兄妹なんだし♪」


 なん……だと! いいのか?

 いや、いいのかじゃない。ダメに決まってる。


「いやいや、俺らは兄妹になったばからだ。いくら兄妹だと言ってもさすがに一緒には入らないだろう? それに入ったとしても小学校低学年ぐらいまでだろ?」


「そうなの?」


 舞の頭の上に?マークが見える気がする。本気だったのか?


「あらあら、どうしたのー?」


「大きな声だしてどうしたんだ?」


 父&母登場。


「あっ、お父さん、お母さん。今からお兄ちゃんとお風呂入るとこなの」


 待て! 俺は一緒に入るとは言ってない。そもそもマズイだろ……


「あらあら、仲良しさんねー♪」


「はははっ、そうか。じゃあお父さんも一緒に入ろうかな?」


 なんだ? この親は?


「やだなー。さすがにお父さんとは入らないよ」


「はははっ、残念だ」


 3人共笑ってる。何故父親はダメで兄ならいいんだ?

 舞の考えはわからない。

 親も反応がおかしい。みんなぶっ飛んでる。

 いや、しかしみんなのこの反応、もしかしたら俺が間違ってるのか?

 俺も一人っ子だ。自信がなくなってきた。

 とはいえ一緒には入れない。


「はぁ……俺は後で入るから出たら教えてくれ」


「あれ?一緒に入らないの?」×3


 この3人思考が同じだ。


「だからさすがに一緒入るわけにはいかないだろ?」


「そうなの?」×3


 何故こんなに息が合う?


「とにかく、俺は後で入るから」


 俺はそう告げて部屋へ戻った。

 家でもこんな疲れるのかよ……


     〜30分後〜

 こんこん、部屋のドアがノックされた。


「お兄ちゃん、お風呂あがったよ」


 舞がお風呂から上がった事を知らせにきてくれた。


「あぁ、分かった」


「あの……お兄ちゃん、さっきはごめんね?」


「ん? 何がだ?」


「お兄ちゃん一緒に入るの嫌で怒ったのかなって」


「いや、怒ってはないよ。たださっきも言ったがやっぱ一緒に入るのはおかしいかなと思ったからな」


「そっかーやっぱおかしいのかな?」


「なら美佳や莉子にでも聞いてみるといいよ」


「うん。分かったー。明日聞いてみるね」


 あの2人はからかうのは好きだがさすがに大丈夫だろうと信じたい。


「じゃあ俺はお風呂入ってから寝るからな」


「うん。おやすみ〜」


 そう言うと舞は自分の部屋に戻っていった。

 さて、お風呂入ってくるか。



 お風呂から上がり部屋へと戻ってきた。

 やっと1日が終わった。

 いろいろと疲れたがだんだん慣れていくのだろうか?

 賑やかなのはいいんだけどな。


「まぁ、なるようにしかならないよな……」


 そう思い眠りについた。


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