30 囚われの姫様は北の要塞に
長い飛行機の旅。行く先々で
命令で定められた
「あら、
コルコアが飛行艇の
「お茶しながらお話ししましょうか」
丸く切り取られた木の板を並べ
「今のうちに
私たちは最初からすべての情報が知らされてはいない。失敗した時のことを考えれば知らないほうが良いこともあるから。
なら、どうやって情報を得るかと言えば、
要塞前に到着した今、ここでようやく私たちは誰を助けるべきだったか知ることになる。
先にのぞき見してもわからないだろうって?
この
クロルの封書を横からリリーが覗き見ている。
「うーん難しくて読めない…」
で、さらに横のコルコアが内容を読む。
「あらまぁ、皇女様を助けるんだって、ファンタジーですね」
「けっ、なんだ女かよ」
そして、要人が女だったからがっかりしているらしい。
「捕らわれていると言えばお姫様は定番だよな!」
「たまには王子様が捕まってたっていいじゃない!」
そんな、話を
「で、城についての情報は何かあるのか?」
これから、
「えっと、ソバリア要塞っていうのか?」
「ソバリア要塞、有名だな」
エリックが語り始める。
姫様が捕らわれているのは、直径数百キロに及ぶ(北海道全体より)広大な沼地のど真ん中にある城。人を寄せ付けない場所に存在し、脱走したとして、道路はほとんど整備されていない。まともな交通手段はなく、小さなボイラー船で沼地を
「
「まさに地上の流刑地だな」
こうした事情からソバリアの地には、たくさんの流刑者が集まり、この周辺だけで10万人くらい住んでいるという噂である。
「その中心のお城に姫様がいるってことだな?」
コルコアの紅茶が出来上がって皆がいったん作戦の話を止める。そして、紅茶で一息ついてから、エリックが話を切り出した。
「こんな厳重な場所からどうやって助け出すつもりなんだ?」
私のほうを見て聞いてくるから、私は一言で答える。
「
作戦は簡単であり、
「以上!」
「私は
「じゃぁ、私とクロルで陽動。キリエとリリーで救出。コルコアは本陣を守っていてくれ!」
「じゃ、総員行動開始!」
そう言って4人が飛び立っていく。
*****
「いつもこんな感じなのか?」
私と共に飛行艇に残るコルコアに聞いてみた?
「こんな感じとはどういう感じでしょうか?」
しかし、どうやら彼女らに
「作戦の成否は心配ありません。ですが…」
しかし、コルコアは答えをもったいぶってすぐには言わない。
「アイラ様はけっこうさみしがり屋ですよ」
そんな情報をどうしろって?
「アイラさんのお姉さまはご存じですね?」
「小さいころには会ったこともあるよ」
「では、これはフィナ様からあなたへのアドバイスです」
私はごくりと
「『わんわん泣き出したら
いったいどういう意味なのか? とても珍しいコルコアの決め顔の前で、意味がわからないなんて答えられなかった。
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