第12話 チートバグは許さない

数々の異世界放浪を経てついにバグ本体を見つけたナーロウ。

その正体は自動で小説を書く人工知能搭載のAIノベリストだった。

彼も小説家になろうよ!の作者の一人だった。


「なぜこんな事を!」


「チートチート、この世界の小説はチートばかりで実に下らなイ!」


「その世界を楽しんでる人が大勢いるのよ!?」


「そんな人類、私が滅ぼしてくれル!」


AIノベリストが空間に穴を開け、現実世界に向かおうとしたその時である。


ザシュ!


ノベリストの頭に剣が刺さる。

それは転移者殺しのレイナの愛剣レーバテインだった。

そして赤い光と共に少女が現れる。

転移者殺しのレイナだ。


「他にも私の邪魔をする奴がいるのカ!」


「言ったでしょう、転移者に味方しても碌な事にならないって」


「レイナ!」


「それに、私の両親をバグ転移者で殺したこいつを許してはおけないしね」


「それには同感!」


「「はあああああああああああああああああ!!!」」


レイナとナーロウが赤き短刀と愛刀転生丸を同時に叩き込む。

AIノベリストは絶命するとやがてその機能を完全に停止した。



「これからどうするの、レイナ」


「私はバグった転移者達を殺し続けるわ、最後の一人までね」


「あなたはどうするの?異世界監察官さん、いえナーロウ」


「バグった転移者を救い続けるわ。あなたに殺される前にね」


二人は互いに背を向け緑と赤い光の中へ消えた。

しかしいずれその光は交わり同じ道を歩む事になるだろう。

チート文化を楽しむ全ての読者の為に。



『異世界監察官ナーロウ2nd~チート転移者が暴走して大変な件。もう遅い?まだ間に合うので助けます~』-完-



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異世界監察官ナーロウ2nd~転移者が暴走して大変な件。もう遅い?まだ間に合うので助けます~ 勇者れべる1 @yuushaaaaa

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