第2話半回転の自転車の人

至るところに傷が付いた自転車を漕ぎながら考え事をしていた。桜井って言ってたっけ、あれって運命だよね。そうだよね。経験したことのない気持ちで、誰もいないなら大声で叫んでしまいたい位だ。考え事をしていたら学校についていた。ぎゅうぎゅうにつめられた駐輪場の間に何とか自転車を止めた。そーっと下がる。この前ドミノ倒しに大量の自転車を倒したのだ。安心していたその時、「おいっ志摩!危ないっ!」先生の声だ。下見ると大きな蛇がいた。




教室に遅れて入り、席に着く。制服はどろどろだし、腕も痛い。あのあと結局驚きのあまり後ろによろけてドミノ倒しだ。前は先生に怒られたが、今回は同情してくれた。自転車‥‥桜井?さんは4組って言ってたっけ。昼休み会いに行くか。と言うか自転車も半回転してしまったレベルだし限界かな。4時限のチャイムがなり皆は友達と集まり弁当を食べている。いつもならなぜか鍵が空いている図書室で食べるが、今日は違う!!と4組の教室の前に行ったはいいもののどうやって入ればいいのか分からない。

おどおどしていると「あれ?‥‥あの‥は‥半回転自転車の人ですか?」「ゑ?」俺そんな風に思われてたの?何そのネーミングセンスは。てか見られてたの?「あ‥あの大丈夫でしたか?」「あ、ああ大丈夫です。」「よ‥よかった。」

はっ!もしかして助けようとしたけど俺が立ち上がったから?「あの!そ‥そのぉ名前っなんですか?」あ、俺の名前?「志摩達吉」「志摩くん?」あぁ。これ運命だわ。くんで呼ばれたことねーわ。なんなら名前読んでくれただけでドキドキしてるー。これ結婚するわ。半回転自転車の人はおかしいけど。

「志摩くん彼女いる?」「え?」

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