世界の不運男の恋物語

@nkumaki

第1話不運な出会い

「達吉‥‥起きなさい!」

はぁー今日も最悪な1日の始まり。どーせ、一人で登校して授業受けて図書室で弁当食べて一人で下校だろう。憂鬱になりながら重い体を何とか起こし、リビングに行く。母が作ってくれた目玉焼きを頬張りながら考える。不運だからよくないのかな。一緒にいると巻き込まれるから?はっ、と意識を戻すと時間はギリギリ。制服に着替え、鞄に荷物を入れて外に出る。いつもと変わらない風景。いつもいる犬をつれたお婆さん。ごみ袋を漁るカラス。ボーッとしながら漕いでいた。その時自転車が半回転した。その勢いで横に倒れた。「いってー」打ったところを見ると擦り傷ができていたので絆創膏をはる。こんなことには慣れっこなのだ。立ち上がろうとしたその時顔面に勢いよく何かが食い込んだ。「ぐぁぁぁぁ」痛すぎて骨が折れたのでは?と思うほどだ。相手もこけたようでいててと言っている。「え?」俺の前に立ってきた。その女の子は綺麗な黒髪で、静かそうな、いわゆる図書委員タイプだろうか。その子は、か弱そうな声で「あ‥‥あのすみません今急いでるので、あ‥よ‥‥4組の桜井です。あの‥また後で!」女の子はおもいっきり走っていってしまった。俺は無言で自転車に乗り込んだ。そして一言

「不運っていいな」


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