第4話 神官、怪我人を治療する

「まず、ウェイドさんや力が強い方は、倒壊した建物の瓦礫を撤去をしてください。ロイスさんや回復魔法を使える方は、私と一緒に怪我人の治療をお願いします。」

「はい、わかりました。ウェイドさん、怪我人の治療が済んだら手伝いにいきますね」

「ああ、また後でな!」

ロイスはウェイド達と別れて、怪我人の元へ向かった。


ーーーーーー


「…思ったよりは怪我人は少ないようですね」

「ロイスさんやウェイドさんが来てくれたお陰で、被害が少なく済んだようです。」

「では、皆さん治療を始めましょう」

ロイス達は回復魔法を使い、怪我人を治療し始めた。

「ぐっ…ううう…足がいてえよぉぉ…」

怪我人の中には瓦礫に巻き込まれ、足や腕が潰されてしまった者もいる。

四肢欠損などの命に関わるような重大な怪我は、高度な回復魔法ではなければ完全に回復できない。だが、ロイスの回復魔法の練度ならそれを回復させることが可能だ。

ロイスは重度な怪我人を優先して治療する。

「メガヒール」

怪我人の潰れた足が光り、足は怪我をする前に元通りになった。

回復魔法にはさまざまな種類がある。

怪我を回復するヒール系統。

毒や麻痺などの状態異常を回復するキュア系統。

聖女しか使用することのできない死者を蘇生するリザレクションなどがある。

ヒールやキュアは、キロ、メガ、ギガという順に強力な魔法になる。

ヒールで例えると、ただのヒールはかすり傷や軽い切り傷を回復できる。

キロになると、骨折などの回復ができる。

メガになると、四肢が一応繋がっていれば回復できる。

ギガになると、四肢や内臓の一部がない状態でも、死亡していなければ回復できるほどの強力な魔法になる。

だが、ロイスはまだメガまでしか使うことはできていない。

「…あとは…あの方もですね」

さっきは足が潰れた怪我人だったが、今度の怪我人は腕の一部が変色している。

「鑑定で腕の状態を見て見ます……ここの骨にヒビが入っているようですね。では…キロヒール」

怪我人の腕が元に戻る。

「一応腕の状態を見てみますね……はい、ちゃんと回復できています。」

ロイスがこの後に数人の重度の怪我人を回復させている間に、他の回復魔法が使える者は、残った怪我人を全員回復させたようだ。

「…はい、怪我人全員の治療がおわりました。皆さん手伝ってくれてありがとうございます。」

「ロイスがいてくれて助かったぜ…俺じゃキロヒールが限界だからな。」

「私も、魔力量が少ないしロイス君がいてくれて助かったわ。」

「いえいえ、私の魔力量も無限ではないので。それに、さっきオークジェネラルを救済したとき魔力を結構消費したので、皆さんがいなければ全員を治療することができませんでしたよ。こちらこそ助かりました。」

「ロイス君、気遣いができるのね…今日一緒に寝ない?」

「丁重にお断りさせていただきます。」

「ぷっ、振られてやんのwww」

「ガーン…」

「効果音、口に出すんですね」

「次はOKしてね♥️」

「…諦める気は?」

「ないわ」

「はあ、これは苦労しますね…まあそんなことはおいといて、私はウェイド達を手伝いに行ってきますね」

ロイスはウェイド達の元へ向かった。

「え、ちょっと…そんなことってなによそんなことって!」

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