第3話 神官、町を救済する

「ん、なんか町から煙出てね?」

「ウェイドさん!」

「ああ、急ぐぞ!」

ロイスとウェイドは急いで町に向かう。

町にたどり着くと、そこは地獄絵図だった。

「おいおい、嘘だろ…一体何が起きてるんだ?」

「あれは…」

「!…オークジェネラル!?他にもオークの大群がいるじゃねえか…」

「ウェイドさん、あれを見てください。どうやら、町に結界を張っている結界結晶が破壊されたようです」

「なに!まずいな…この数のオークは俺や町にいる冒険者達を集めても倒しきれるかわからねえ…オークジェネラルなんて、この町の冒険者が集まったところで勝てるような相手じゃねえぞ…一体どうする…」

「あいつなら私が救済しますよ」

「!ロイス、お前あいつ倒せるのか?」

「はい。私はあいつを救済したことがあるので」

「マジか!じゃあオークジェネラルは任せた!俺は他の冒険者達とオークの大群をやる!」

「わかりました。じゃあ…行きます!」

ロイスとウェイドはオーク達に向かって走り出す。

「グルオオオオオオ!」

「救済!」

ロイスの拳とオークジェネラルの拳がぶつかる。

「救済救済救済救済救済!!」

「グラアアアアア!」

ロイスは怒涛の連擊を繰り出すがオークジェネラルには傷一つつかない。

「やはりまだ通常の救済では無理か…しかたない。救済拳を使うしかないか…」

「グルウウ?」

「ハアアアアアアアアア!」

ロイスの拳に魔力が集まる。

「救 済 拳!!!!」

「グルアアアアアアアア!!」

オークジェネラルにロイスの拳がめり込み、オークジェネラルは吹き飛んだ。

「ハア、ハア、ハア…救済できたか……」

「グルオオオオオオオオオオオ!!!!」

「な!?まだか!」

オークジェネラルの腹部に、ロイスの拳の跡が着いている。だがそれでも致命傷にはなっていないようだ。

「しかたない、これ以上救済を長引かせたくはない。ハアアアアアアア!」

「グオオオオオオ!」

ロイスの魔力が拳ではなく足に集まる。

「救 済 脚!!!!」

「グルアアアアアアア!!!」

ロイスの足がオークジェネラルにめり込み、オークジェネラルの上半身は消し飛んだ。

「ふう…何とか救済できたな…あれ、ウェイドさんは?」

「オラアア!」

「グオオオオオオ!」

「あーーーやっとおわった…あいつは…もう倒したのか!」

「はい。前に救済した者よりは少し頑丈でしたが…あ、まだ下半身が残っていますね。救済!」

オークジェネラルの下半身も残さず救済する。

「……」

「ウェイドさん!ロイスさん!まさかオークの大群を討伐したのですか!」

冒険者ギルドの職員がウェイド達に尋ねてきた。

「ああ。でも一体どうしてこんなことが?」

「…実は何者かが結界結晶を破壊したようです。」

「なに?なぜそんなことを…」

「もしかして、魔王の手の者が破壊したのでは?」

「魔王…ここ数年はあまり動きがなかったようだが、ついに動き出したか…」

「魔王…」

「あの…お二人や他の冒険者の方にも頼んでいるのですが、町の復興を手伝ってくれませんか?」

「町の救済ですか?いいですよ、手伝います。」

「ああ、別に断る理由はないからいいぜ。」

「ありがとうございます。それではまずは…」

こうして、町の復興作業が始まった。

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