第2話 神官、町に戻る

「救済!…救済!……救済!…救済救済!…救済!」

ロイスは、町に戻る道中でも救済は忘れない。すれ違いざまに魔物を殴る、いや救済する。救済とは?

「あれ、ロイス?今帰るとこ?」

「はい。ヴァンパイアの救済が終わりましたので。」

「一人でやったのか?」

「はい。」

「へえー、ロイスはやっぱり強えな。」

「当然ですよ。このくらいは強くなければ、救済などできませんので。」

「変わんねえなあ…」

今ロイスに話しかけてきた男は、ロイスの冒険者仲間のウェイド。

冒険者のランクは6段階のA~Fに分けられていて、ウェイドはBランクの冒険者だ。

ちなみにロイスはEランクである。理由はシンプル。救済の威力が凄まじく討伐対象の討伐の証拠を提示できないため、採取などの討伐以外の依頼しかまともに出来ないからだ。

「そういえばロイスはまだEランクか?」

「はい。そうですね。」

「もう少し手加減とか覚えようぜ?」

「魔物の体を残すなど言語道断。魔物は完全救済、塵一つ残さない。それが私のポリシーです。」

「お前、採取依頼だけしてんの…?」

「いえ、それだけでなく魔道具店でも働いてますよ。」

「そうか…まあ、俺もリザードマンの巣を潰す依頼を終わらせてきたところだし、一緒に町に行くか。」

「はい、いいですよ。」

そうして、二人は町に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る