水泡

俺は高校生探偵、工藤信二。


今日は幼馴染の友人たちと共に、大事な試験会場に来ている。


合図とともに一斉に動き出すペンの音。


静かな部屋に時計の音とペンの音だけが響く。


ダメだ、難しい。


序盤は順調だったが、問題の中盤に差し掛かり、目に見えて難易度が上がった。


時間が過ぎるのが早く感じる。


落ち着け。難しいが、絶対に解けないというほどでもないはずだ。


俺の頭脳をもってすれば、落ち着いて時間をかければできる。


俺は自分にそう言い聞かせ、必死に計算用紙に数式を書きなぐり、横の用紙に鉛筆でマークしていく。


体感的に、もう一度同じ問題を解き直す時間はない。


1回で解き切るため神経を問題に集中させる。


やれる、やれるぞ…!



なんとか最後の問題まで来れた。


ここまで来たら時間と気合いの勝負だ。


集中力を爆発させて、最後の難問に向き合う。



…やった!答えが出せた!


たぶんこれで合っているはずだ。


残り時間は1分少々といったところだから、どちらにせよ確認する時間はない。



手ごわい問題だった。


俺はホッとして目線と鉛筆を横にスライドさせたが、


あることに気づいた俺の鉛筆は行き場をなくしてしまった。



数秒後、鐘の音がこの時間の終わりを告げ、俺は終わりを悟った。

















(↓解説はこのまま下にスクロールしてね↓)



















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解説

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この人がやっているのはマークシート式の試験。


緊迫感から察するに、センター試験みたいな大きなものなんだろうね。


時間ギリギリでなんとか解ききることができたけど、いざ最後の問題の答えをマークしようとしたところで、今までのマークがずれていたことに気づいたんだよ。


1分そこらの残り時間で直すことなんて当然できるはずもなく。


他の教科で挽回できるといいね…


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