第4話

「はい。どうぞ」

「ん?」

 あれ??樋野ひのの家じゃないの?

「俺と一緒に住みたいの?」

「遠慮願います」

「でしょ?」

「あ…」

 そういうことね。

「ごめんな。誤解して…」

「いや、仕事場で渡そうとしてたのは俺の家の合鍵の方だから」

「最低だな」

「いつも通りの築島つきしまであればいいよ」

 何だよ、それ。

「お隣さんだから、何かあればいつでも来てね?」

「電話でお伺いします」

「来た方が早いのに…」

「都合悪い時もあるでしょうから」

「築島ならいつでも大歓迎。何があっても優先するから、ね」

 にこやかな笑顔で、隣の家に入って行った。

 ん?…樋野、仕事は??

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Premonition @tamaki_1130_2020

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ