第25話 2010年12月3日

業務をしていると、会社から電話があった。


『お電話変わりました。西田です。』

「もしもし、坂井だけど」

部長からだった。

「大沼さん、今月いっぱいでしょ?」

『はい、そうですけど』

「西田さんと安部さんだけじゃ仕事回らないでしょ?」

『はい・・・まぁ、そうですね・・・』

「それで、Y支社から一人応援出すから」

『あ、ありがとうございます!』

「急だけど、来週からタケダっていう子が行くから。よろしくね。」

『分かりました!』


正直、大沼さんがいなくなってからの仕事の不安はあった。

まだ仕事も覚えきってない。

『大沼さん、タケダさんっていう方が来週から応援に来てくれるらしいですよ』

「あー、由美ちゃん!?」

?ゆみちゃん?

『大沼さんはご存じですもんね!』

「うん、凄いいい子で可愛い子だよー」

いや、大沼さんも美人ですよ・・と私は心の中で思った。

うちの会社は美人さんが多いのかな。

「たぶん、ともちゃんより若いよ~」

『あ、そうなんですね!独身ですか?』

「うん、独身だよー」

『へぇ、じゃー男性陣は喜んじゃいますね!』

「そうだよねぇ~でも、お父さんはココの会社の社員さんだからね^^;」

『あ、じゃーお知り合いも多いんですかね?』

「うん、お父さん世代は知ってるんじゃないかな?」

『そうなんですね』 

とりあえず、私は仕事の不安は少し消えた。

でも、どんな子なんだろう??

話しやすい人だったらいいな・・・


『ところで、大沼さん?今月送別会やりたいんですけど・・・予定どうですか?』

「えーーーー、ありがとう!

 いつでも大丈夫だよ!」

『じゃー、森さんと相談してみますね^^』

「うん、ありがとね!楽しみにしてる!」

さすがに何が欲しい?とは聞けなかったw



私は森さんのところに行って、来週から応援の子が来ることを話した。

「あ、そうなんだね!じゃー、その子の歓迎会も大沼の送別会と一緒にやっちゃおうか!?」

『そうですね~でも、まだどういう子なのか私は知らないんですけど^^;

 来週来たら本人に話してみますね!』

「うん、よろしくね!」

あと、送別会は28日の仕事納めの日になった。

『仕事納めの日で大丈夫でしょうか?』

「でも、その前だとクリスマスだからね・・・」

あ、森さんは細川さんと過したいのか。

私は察した。

『そうですよね、皆さんご家族とかで予定ありますよね~?』

と、あえてそこは突っ込まないで言った。

「大沼と仲良くしてる社員さんとかに声かけとくよー」

『お願いします』


とりあえず、私は贈り物を何にしようか考えることにした。


もうすぐ、年末。

私はどこか見えない不安と焦りが押し寄せていた。


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