第24話 2010年12月1日

早くも師走。

私はというと、なんとか仕事は続けていた。

そして、今月末で大沼さんは退職だ。

早いなぁ・・

まだ仕事は全て覚えきれていないため、この先の仕事の不安で最近ナーバス気味だ。

大沼さんは有休消化のため休みがちだ。

安部さんとなんとか仕事をこなしていた。


「お疲れ様!」

この声は森さんだ。

『お疲れ様です!』

「大沼がもう退職じゃん?送別会やろうとおもうんだけど、どう?」

『もちろん!やりましょう!』

「それで、贈り物もしたいんだけど何がいいかなぁ?」

『うーん、やっぱり花は必須ですよね~』

「そうだよねー」

『あと何がいいですかね?』

「何かいいアイデアがあったら教えて!」

『わかりました!』

そう言って、森さんは自分のグループに戻っていった。

送別会か・・・

大沼さんにはお世話になったからちゃんとお礼しなくちゃなぁ。

寂しくなるな。



家に帰り、贈り物は何がいいかネットでいろいろ検索していた。

すると、スマホが鳴った。

ユウくんからだ。

「お疲れ様、アイちゃん!仕事でクタクタだよ~」

『お疲れ様!毎日忙しそうだね』

「年末だから忙しくてさ、、、癒やしてほしいなぁ」

『私で良ければ癒やしますよー』

「あのさ、ずっと言えなかったんだけど、写メ交換しない?」

そういえば、お互い顔も知らないままだった。

どうしようか返事に迷っていると・・

「俺から送るから、もしOKだったらアイちゃんも送ってくれる?」

『あーはい、わかった・・・』

間もなくして、画像が送られてきた。

ドキドキしながら開くと、そこには洗面台の前で写メを撮る男性が写っていた。

顔はイケメンだった。

どっちかというとワイルド系だ。

私の周りにはいないタイプだ。

『イケメンですね!』

と私はユウくんにメッセージを送った。

「全然!モテないし!

 どう?アイちゃんも送ってくれる?」

私は少し悩んだ。

でも、送って幻滅されるならそれでいいと思った。

『写メがないから、今撮るね』

「OK^^」

私は顔が盛れるアプリで自分の顔を撮った。

そこまで盛ったつもりではないが、肌とかは綺麗に写っていた。

ちょっと加工してあるけど、これでいいかw

私はユウくんに画像を送った。

『不細工でごめん><;』

とメッセージも送った。

ドキドキしながら返事を待った。

「すげー可愛いじゃん!」

『いや、そんなことないよ^^;盛ってるからw』

実際加工してるからな・・・

まぁ、いいか、実際会うわけではないし。

「えぇ、可愛いけどなぁ、会ってみたいな」

えっ!?

いやいや、そんなつもりないしなぁ・・・

『まだ、ちょっと早いかなぁ~』

とメッセージを送った。

「早くないよ!いつがいい?」

私の写メを見て気に入ってくれたのか明らかに今までよりグイグイ感が違う。

『いや、まだ、ちょっと・・・』

「俺はいつでもいいからね!」

『あ、はい・・』


私は戸惑っていた。

会っていいものかどうなのか・・

背も高いし、話からは優しさが感じられた。

少しワイルド系だから、ちょっとタイプではないけど・・

人は見た目じゃないし。


考えとくといってその日のやり取りは終わった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る