第23話 2010年11月22日

今日は”いい夫婦”の日だ。

端から見れば私たちはいい夫婦に見えるかもしれない。

でも、決して私はいい嫁ではない。

最低だ。

だから、ここで止めればいいんだ。


ブブブ....

マナーモードになっているスマホが鳴った。

先日出会い系サイトに登録してから一日に数件誰かしらかメッセージが来ていた。


またか・・・

最近のスマホが鳴るときは出会い系しかない。

とりあえず、スマホを開いた。


「はじめまして。既婚者です。良かったら話し相手になってもらえませんか?」

プロフィールを見てみた。

年齢は2つ上。

住んでるところは30キロぐらい離れているところに住んでいるらしい。

何となく気になって返事してみた。

『はじめまして。メッセージありがとうございます。私で良ければお話ししましょう。』

すると、すぐスマホが鳴った。

「返事ありがとう!友達からよろしくお願いします!」

『こちらこそ^^』

「なんて呼んだらいいかな?」

『アイでお願いします。』

私は一応警戒して偽名を使った。

「アイちゃんね、よろしくお願いします。」

『お名前は?』

「ユウです。ユウくんでも、ユウでも何でもいいです^^」

向こうもきっと偽名だろうな・・・

まぁ、名前なんてどうでもいいけど・・・

『ユウくんって呼びますね』

「敬語使わなくてもいいよ^^」

『あ、はい!』

「ほらw」

『あ、そうだね^^;』

 ・ 

 ・

 ・

それから、何回かメッセージのやり取りをした。

家族構成から、何の仕事をやってるのか・・

特に変な話はなかった。

私もそういう相手を探してるつもりはなかったから、友達感覚で話をしていた。

メッセージを見る限りとても感じのいい人だった。

単純にユウくんと話してる時間が楽しかった。



そんなことをしていると、旦那が帰ってきた。

『ごめん、旦那が帰ってきたからまた!』

とメッセージを送って慌ててスマホを通知オフにした。

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