第16話 2010年10月29日

相変わらず、岩井さんからの連絡はない。

LINEを送っても既読にならない。

ブロックされたのかな・・・

そんなに変なこと言ったかな?

はぁ・・・

でも、いいや、細川さんがいるし。

そう、私は細川さんに乗り換えようとしていた。

端から見れば凄く嫌な女だ。

そのときの私はそんなこと考えていなかった。

そう、自分のことしか考えていなかった。

今日の女子会でみんなに相談してみようかな・・・

そんなことまで考えてしまっていた。


定時になり私は駅前の居酒屋にみんなと移動した。

いつもの通り、乾杯をして飲み会が始まった。

ふと見るといつも飲んでいる森さんは今日はソフトドリンクだった。

『あれ?森さん、今日は飲まないんですか?』

「うん、今日は運転手だから^^今日は家まで送ってあげるから旦那さんに迎えに来なくていいよって言っといてよ!」

『え、でも、悪いですから・・・』

「いいんだよ~私、あまりお酒強くないしね^^;」

私がためらっていると、大沼さんが

「お酒弱いんじゃなくて、森は昨日飲み過ぎたみたいだからお言葉に甘えちゃってよw」と。

「うん、ホントはちょっと昨日飲み過ぎちゃって休肝日なのよ~」

という森さん。

『あ、そうなんですね^^;では、お言葉に甘えまして・・すいません』

「ううん、全然気にしないで」

それを聞いて私は旦那に迎えに来なくても大丈夫と連絡をした。


お酒が進んでいくと、みんな今までの恋愛などいろいろ言い出してきた。

「ほんとは結婚、悩んでるんだよね」

と言い出したのは大沼さん。

「でも、すごくいい人だと思うよ?」

と毛塚さんは親身に話を聞いてくれていた。

「あの人なら浮気とかしなさそう!」

と森さんは声を大にしていった。

続けて毛塚さんは、

「そうそう!ここの会社は不倫とかしてる人多いけど、彼は絶対しないと思うよ~」

と言った。

「そうかなぁ・・・」

と真剣に悩んでる感じの大沼さん。

私はマリッジブルーなのかな?とその話を聞きながら思った。

私自身、結婚するときマリッジブルーというものは感じなかった。

ただ、私は早く結婚したかった。


それより気になったのは

不倫してる人が多い??

それにひっかかった。

そうだよな・・・私も岩井さんとそういう関係に一度はなったわけだし。

私もその中に含まれるのだ。

この会社は多いと聞いたとき、ドキッとしたというかみんなしてるならいいか~と思ったのが本音だ。

そう、細川さんとこの先そういう関係になってしまっても構わないとまでも思ってしまった。



お酒が進んでいくうちに、だんだんと過激な話も増えてきた。

エッチはどういうのがいいとか、今までどんなのよかったとか・・・

とてもじゃないけど、男性の前では話せない話が増えてきた。

私も気分が乗ってきて

『ぶっちゃけて、いいですか~??』

「なになに??」

と、三人が食いついてきた。

その反応が楽しくて、今の状況を言ってもいいかなぁ。

自慢したくなったのだ。

そして

『じつは、今言い寄られてる人がいるんですよ~』

「え??会社の人??」

と、三人は一斉に聞いてきた。

『う~ん、そうなりますかね~』

とちょっと鼻を高くしてるのが自分でもわかった。

「誰!?」

と三人は聞いてきたけど

『それは、今はまだ内緒ですよw』

と、私ははぐらかした。

「なにそれー」

『だって、まだ言えませんから~時期がくれば言いますよ~』

こんなことを言っても、引いたりしないあたりやっぱり不倫などが当たり前の会社なんだなと思った。

女性が少ない会社だし、きっとこの三人も会社でモテるんだろうなと思った。

まぁ、大沼さんは美人で胸も大きいしモテるのはわかるw


「ラストオーダーです」

と、店員さんが言いに来た。

気づくと、24時近くになっていた。

「やば!もうこんな時間じゃん」と森さん。

女の話は時間がいくらあっても足らない。

でも、久しぶりの女だけの話は凄く楽しかった。

この年になって友達ができるのはすごく嬉しいことだ。


私たちは帰ろうと準備を始めた。

森さんが順番に送るからと。

私たちはお言葉に甘えて森さんの車に乗った。

車の時計はもうすぐ24時。

日付が変わろうとしていた。

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