第15話 2010年10月21日

昨晩の出来事が頭から離れない。

岩井さんにLINEしてみたけど、いつまでも既読にもならない。

これで私達は終わりなの?

岩井さんのことは今でも好きな気持ちはある。

岩井さんも私のことが好きでちょっとのことでは動じないと勝手に思っていた。

そんなに簡単に自分を手放すとも思っていなかった。

そう、私は高をくくっていたのだ。


本気じゃなかったのかな・・・


そう頭によぎった。

認めたくない。

簡単に身体を許さなければよかった。

女は抱かれると気持ちが強くなって、男は冷めるとどこかの雑誌で読んだことがある。

そういうことなのか・・・

もう、岩井さんは目標達成?


気持ちを切り替えよう。

そう、細川さんがいる。

私には。



「おはよう!」

いつもと変わらない細川さんがいた。

私はホッとした。

『おはようございます!』

元気に挨拶をした。



昼休み、食堂でランチをしていると森さんと毛塚さんが話しかけてきた。

「今度、女子会しようと思うんだけどどう?」

女子会!?

私は嬉しくなった。

『ぜひ!ぜひ!』

と私は答えた。

「じゃーあとで日取りとか決めようね!」


結婚後、友達とも疎遠になってしまいそんなことは全然していなかった。

あ~楽しみ^^

沈んでいた心が少し浮かんできた。


「なんかいいことあったん??」

細川さんが声をかけてきた。

『あ、今度女子会やるんですよ^^』

「あ~いつものメンバー?」

『あーたぶんそうだと』

「じゃー俺も行こうかな」

『女子会だから駄目ですよ!』

「女装してw」

『あははwww』

と、二人で楽しい時間をすごしていた。

それを陰で見ている人がいた。

私はその人に気づいた。

森さんだ。

『あ、森さん!』

と声をかけた。

「あ、女子会来週の金曜がいいと思うんだけどいいかな?」

『あ、はい!たぶん大丈夫です!』

「お~い、森さん、俺は駄目なん?」

と後ろから声をかけてくる細川さん。

まだ、言ってるwと思いながらそのやり取りを私は見ていた。

「駄目です!」

と森さんに一喝されてしまう細川さん。

ちぇっと言いながら去って行った。

『楽しみにしてますね!』

と私は森さんにお礼を言った。

「・・・うん」

なんとなく歯切れが悪い森さん。


そのときの私は何も気づかなかった。

とんでもないカミングアウトを聞くことになるなんて。

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