第7話 2010年9月21日

 すっかり職場環境には慣れた。しかし相変わらず仕事内容は特殊なため理解はよくできてなかった。簡単な業務から大沼さんから任されていた。大沼さんとたまにお喋りしがら楽しく過していた。そのとき、後ろから

「なぁに、楽しそうに話してるの~??」

と細川さんが大沼さんの肩にそっと手を乗せて話しかけてきた。私はその慣れた手つきにちょっと怪訝そうな顔をしていたかもしれない。あはは~と愛想笑いする大沼さん。大沼さんは嫌じゃ無いのかな?

「どう?西田さん仕事にはもう慣れた?」

と私に声をかけてきた。

『はぁ、まぁ・・・でも、難しいですね。だけど大沼さんが凄く丁寧に教えてくださるので助かってます』

と答えた。

「そっかぁ、まぁ、適当に頑張ってやってよ!」

と細川さんはあはは~と笑いながら去って行った。何だか不思議な人・・・そういう印象だった。でも、他人に壁を作らない人だなと思った。クラスで一人はいるムードメーカー的な人気者。そんな感じの人だ。だけど髪が寂しいのが残念だ・・・(失礼)


 もうすぐ定時なのでおじ様達のカップなどを給湯室で片付けていると、細川さんがまた話しかけてきた。

「西田さん、お酒飲める??」

『はい、飲めますけど?』

「じゃー、西田さんの歓迎会やろうよ!」

『え?いいんですか??』

じつは、私お酒が凄く好きw友達とよく一緒に飲んで騒いだりしていた。

「今度の金曜日、メンバー集めて飲みに行こうよ!」

『はい!是非!!』

じゃぁね~と去っていく細川さん。内心、やったー!と私は浮かれていた。誰が来てくれるか分からないけど(^^;


 家に帰り、岩井さんに連絡をした。

『歓迎会やってくれるみたいなので行ってきます!』と、報告。

「へぇ~、よかったな、男もくるの?」

『はい、だって委託先の社員さんが誘ってくれたんです』

「ふぅ~ん・・・」

あれ?少し心配してくれてる?

ほら、やっぱり大沼さんがいうことは違うんだ。岩井さんは私のことだけをちゃんと思ってくれている。そう確信した。たった一言でそう思ってしまう自分がすごく単純だな。

「飲み過ぎるなよ!」

『あははw大丈夫です^^』

と返して電話を切った。

私はこの時間が何より幸せだった。

この時間だけは唯一女になれるから。。。

電話を切ったあと、余韻に浸っていると作りかけの夕ご飯が見えた。やばい、早くしなくちゃと私は現実に戻っていった。




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