第6話 2010年9月18日
仕事を始めて早2週間が過ぎた。早かったような長かったような・・不思議な時間軸にいたような気がした。今日は委託先ではなく私の会社の全体会議の日だ。車で50キロの道のりだ。研修と同じ。会場はどこかのホテルの大広間を使っていた。土曜日なのこんなことろに集める社長にうんざりしていた。そんなことしていると、岩井さんの姿は見えた。あれからも、毎日LINEのやり取りはしていた。私たちは恋人同士なのかな?そう思いながら岩井さんの姿を眺めていた。でも、岩井さんはこっちの姿を見ようともしない。
みんながいるから仕方ないか・・・
そう考えていた。
結局、岩井さんは会議が終わるまで一度も目を合わせなかった。会議が終わり、私は大沼さんと近くのファミレスでお茶していくことにした。そこで私は信じがたい話を聞くことになる。
「今日はいろんな人とあったから疲れたでしょ?」と大沼さんに聞かれたので
『そうですね、誰が誰なのか分からなかったですねw』と答えた。
『あ、でも、岩井さんは研修のときお世話になったので、分かりましたけど・・』
と何気なく答えた。すると、大沼さんは
「岩井さんね・・・あの人、気をつけた方がいいよ。女なら誰でも手を出すからw」
と凄く嫌そうな顔をして答えた。
「既婚者でも何でもお構いなしなんだから!」
私はにわかに信じられない話を半分引きつった顔で聞いていた。
そんなの嘘だ、だって毎日楽しそうにLINEしてくれるし、そんな風には思えない。でも、好きだとは言われてない・・・遊びなの?
頭が混乱してどうしていいのかわからなくなった。本人に聞くわけにはいかないし・・・彼女の話は嘘だと自分に言い聞かせた。
大沼さんと別れて帰路についた。帰りながら大沼さんから聞いた話を思い出していた。大沼さんの勘違いだ・・そんなの嘘だ・・
その日は、珍しく岩井さんからLINEは来なかった。
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