第5話 2010年9月11日
今日は土曜日。待ちに待った岩井さんとのデートの日だ。何を着ようか?昨日から考えていた。思い切ってミニスカートにしようか・・・でも、仕事と言ってあるためそこまで短いのは不自然すぎる。待ち合わせ場所に着く前に着替えよう、そう考えていた。いつも仕事に持っていく鞄にスカートを突っ込んでいつもの時間に家を出た。子供は実家の親に預けた。急な会議が入ったと嘘をついた。こうやって嘘に嘘を重ねていくのだろう・・・
待ち合わせ場所は家から1時間ほどの場所。行く途中で例のスカートに履き替えた。25歳ならまだミニもOKでしょw
待ち合わせ場所に着いて『着きました』とLINEを入れた。すると○○の近くにいるJEEPと言われた。私は言われるままその場所に向かった。すると一台それらしき車があった。隣につけると岩井さんが車に乗っていた。岩井さんは私に気づくと助手席を指さした。私は頷き、岩井さんの車に乗り込んだ。
「おはよう」
『おはようございます。』
少し硬い表情で挨拶を返した。
「じゃー、さっそく行こうか?」
『あ、はい!』
そう言って、岩井さんの後をついて歩いた。少しだけ歩くのが早い彼。せっかちなのかな?私は急いで岩井さんについて行った。
プラネタリウムのチケットを買ってもらい、チケットを渡してくれた。そして、中に入っていった。私は一度子供の頃にここには来たことはある。その頃に比べて思ったより広くなくて、自分が大人になったんだなと感じた。あの頃は純粋にプラネタリウムが見たくて来た。まさか自分が男性とここに来る日がくるなんて思ってもいなかった。
二人並んで座って始まるのを世間話をしながら待っていた。すると、岩井さんの手が私の太もも辺りに伸びてきた。え??っと思いビックリしていると、
「いいでしょ?」
と、岩井さんに言われ太ももを舐めるように触ってきた。その出来事があったせいでプラネタリウムの内容は全く覚えていない。
動揺が隠せない自分。でも、べつに嫌な気分にはならなかった。逆に久しぶりの感覚に高揚していた。
プラネタリウムが終わり、ランチをしようと岩井さんが言ってきた。美味しいハンバーグ屋さんがあるからと案内してくれた。
「ここは穴場なんだよ」
と話す岩井さんに、単純な考えな私は自分は特別な存在なんじゃないかと嬉しい気持ちになってしまっていた。
二人で同じハンバーグを頼んで一緒に美味しいねと言って食べた。お会計は岩井さんが払ってくれた。岩井さんは私より一回りぐらい上だ。やっぱり大人の男性はいいなとその姿を眺めていた。
お店を出て、これからどうしようか?と岩井さんが聞いてきた。私はお任せしますけど・・・と答えた。すると、岩井さんは
「じゃー、いい?」
と聞いてきた。その意味は聞かなくても私には分かっていた。私は小さく頷いた。すると岩井さんはそれらしい建物が並んでいる路地に入っていった。その一つに入り車を停めた。私はいいのだろうか?でも、もう引き返せないし・・・と思っていた。意を決して岩井さんの後をついていった。
久しぶりに入ったそこはベッドとちょっとしたテーブルとソファーがあるだけの質素な作りなところだった。旦那以外の人と来るのは初めてだった。そんなことを考えていると後ろから抱きしめられた。私はどうしたらいいのか分からず、ただそこでジッと固まってしまっていた。ふいに顔を岩井さんに向けられた。その瞬間にキスされた。
『ちょ、ちょっと待ってください』
と、私は制止させようとした。
「どうして?」
岩井さんにそう言われとっさに
『身体、汚いかもしれないから』
と答えてしまった。
「そんなの気にしないから」
と岩井さんに言われ、押し倒された。それから、優しくキスされ服を捲られた。下着を取られ、敏感な私の胸は舐められると気持ちが良く全てを任せたくなった。
どうにでもしてほしい・・・
一回り上だと思えないぐらい岩井さんの身体は若々しかった。
私、岩井さんが好きだ。素直にそう思った。きっと彼もそう思ってるに違いない。そう思いながら私は岩井さんに身体を預けた。
どのくらいの時間が経ったのだろう。そろそろ帰らなくちゃいけない。私は正直この夢心地の時間をもっと過していたかった。でも、そうはいかない。私には家庭がある。
「そろそろ帰らなくちゃね」
岩井さんにそう促され、私は帰る支度をした。
プラネタリウムを見たあの施設に戻ってきた。プラネタリウムを見たのが随分昔のような感覚に陥った。でも、これは全て今日の出来事だ。
「今日はありがとう。気をつけて帰ってね。」
『はい、ありがとうございます。』
そして、私たちはお互いの家路へ急いだ。
とうとう、岩井さんとこういう関係になってしまった。この頃の私は浮かれていた。あとで知る岩井さんの真の姿を知るまでは・・・
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