第2話 2010年9月3日

 今日で、本社での研修は終了だ。通勤距離が遠いことからやっと解放。正直実務に関することは一切教えてもらえなかったな・・・私の業務は委託先で業務。そのため専用端末がないと業務はできないらしい。それならこの研修は意味があったのか???頭の中ははてなマークでいっぱいwまぁ、ろくな仕事してないけどお給料でるならいいかーと私は軽く考えていた。なんとなく、本社の人達ともコミュニケーションも取れたし良かったのかもしれない。

 最終日ということで外でランチをしようと数人で行くことになった。その中には例の岩井さんも一緒だった。近くの和食屋さんに予約してくれていたらしく、すんなり店に入れた。たまにお喋りしながら楽しいひとときだった。そして、昼休みも終わるのでそろそろとみんなが動き出したので私もお会計をしようとした。すると、「

いいよ」と岩井さんが私の分を支払ってくれた。え、すいません、ごちそうさまです!とお礼を言った。なんだか申し訳無い気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいになった。私の中ではすっかり岩井さんはいい人のレッテルが貼られた。

 

 家に帰り、やっと一息をついて夕食の準備をしているとスマホが鳴った。私はとっさに岩井さん!?と心で思ってしまった。慌ててスマホを開くと案の定岩井さんからだった。

「お疲れ様」

相変わらずの短い文章。でも、何か話を続けたくて私は話題を振り続けた。たわいの無い話。明日からの委託先での仕事の不安、どういう人がいるところなのかとか取りあえず話をしたくて文章を送り続けた。すぐに来る返事。それが何よりも嬉しかった。一回り近く年齢は上だったけど、タメ口をきいても怒らない先輩。←いや、これは私が悪いwすごく近くに感じた。

 そんなことをしていると旦那が帰ってきた。慌てて閉じるスマホ。べつに悪いことをしていないのに。。。そのときはそう思っていた。だって、実際世間話しかしてないし、仕事の相談しかしていない。会社に知り合いのいない私には頼れる先輩だった。普通に話せる存在がいるだけで気持ちが楽になったんだ。ただ、それだけ。。。そう、私は心を確かめるように言い聞かせた。

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