多恋体質

雲野月

第1話 2010年9月1日

 今日から出産後、初めての出勤。久しぶりのバタバタな朝。急いで準備して娘を保育園に連れて行く。

 最初の3日間は本社にて研修。片道50キロの道のり。配属されている職場は家からそこまで離れていない。3日間だけだからしょうがないか・・・

 初日は会社の概要の説明。随分とがたいのいい優しそうなおじさん。手がクリームパンみたい。リスのようにほっぺたに何か入ってるみたい(失礼)そんなことを思いながら何を主にやっているか主な業務はどういうものか聞いていた。聞いたときは正直、思っていたものと違う笑。まぁ、そういうものよね(^^;)結婚前はそこそこ名の知れた大企業で働いていた。結婚を機に退職してしまった。同期とうまくいってなかったというのが本当の理由だけど・・・逃げるように退職してしまった。今でもそこで働いていたら人生変わってたんだろうな・・・とふと思うことは多々ある。今更そんなこと考えても仕方ない。

 クリームパンさんの話が終わった後、私の業務の担当の人に変わった。私より一回りぐらい上?ぐらいの男性。名前は岩井さん。年齢よりは若く見える。天パーなのか短く切った髪だけど若干パンチパーマみたい笑。今の若い子にはわからないかw実際の工事現場を見た方がわかりやすいだろうと外に連れ出してくれた。後から知ったことだけど、この人あまり真面目な人では無いらしく、社内にいるより何か理由をつけて外に逃げるらしい。この会社大丈夫か?と思ったけど緊張気味の私には有り難かった。

 工事現場はちょこっと見て、後は市内をほとんどドライブだった。某アイス屋さんを見つけると岩井さんは「食べるか?」と。私は最初いいんですかー?といいつつ有り難く奢ってもらうことにしたw彼はラムレーズン。すごく食べるのが早くて頭キーンとならないの??とちょっと心配になった。

 食べ終わって、会社への帰路。そのときもいろいろと面白い話をしてくれた。そのとき何かあったら連絡してとLINEを交換した。

 会社についてあまり必要なさそうな日報を書かされ、私は定時になったので家に帰った。


 一日目、すごく疲れた。まず、距離が遠いっwあと2日頑張るしかないか・・・そのとき、スマホが鳴った。

「お疲れ様」

 アイスを奢ってくれた岩井さんだ・・・私はお疲れ様ですと返事をした。それから他愛の無い話をした。久しぶりの男性とのやり取りに私は少し前上がってたかもしれない。一日の疲れが吹き飛んだ気がした。

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