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 その日、営業部の主任か何か? 結局最後まで分からなかった人であるTさんからメールが届いた。そこには退職手続きの内容、言ってしまえば提出物や返却物がリストアップされていたのだが、メールのどこにもザード@に向けて労働基準法違反となる言動をしてしまったことへの謝罪の言葉は含まれていなかった。


「今日営業から退職手続きのメールは届いたのですが、転送した通りこの件に関する謝罪の言葉が一言も書かれていません」

「これ酷くね? あいつら何考えてるの? この前からずっと突っついてるけど変な答えしか返してこないし」

「だからこのメールには一言も返信してません」

「そりゃそうだわな」

「で、こうということはOが何か勘違いして変な言動しただけではなく、営業部全体としてSEを社員として見ないで数字としてだけ見ている風習があるという解釈になりますので、もうこれ役員や社長にエスカレするしかないと思うんですが」

「お願いだから冷静になって。そこは抑えて」

「じゃあまず社長出てきて謝ってくださいよ。営業部は謝る気もないしそもそも何が悪いのかもわかってないじゃないですかこれ」

「ぶっちゃけそう思うけどまずは冷静になって。ともかくこのままではダメだ」

 Nさんが焦るのもわかる。営業が売りをいかに上げるかしか見ていないとなれば、労働環境としては最悪の一言だ。しかし、これは恐らくただ単に意図せずそういう文脈になる言葉を発ししてしまっただけであるはずだ。だからエスカレは止めたい。しかし、そのためにはOが出てきて真意を説明する必要がある。だが突っついても何故かOや営業部が話を理解しない。とても難しい状況だった。

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