5/30

「朝会を始めます」いつもの調子でNさんがいう。

「ザードさんは今日何やるの?」

「先日営業のOから電話がありましたが、会社はザード@と違法な雇用契約を結んでいるという説明を受けました。詳細はチームのチャンネルに投げた通りですが、下手すると客先と中間業者全部巻き込んでザード@を奴隷労働させていたことになるのでしばらく何もしません」

「書いてあるの見たけどあれマジで言ってきたの?」

「Nさんが驚くのも分かりますが、会社は本当に6月のテレワークの調整だけをしていたようです。つまり、会社はザード@を5月に退社させる調整ではなく、いかにして6月分のザード@の売りを得る調整だけをしています。今の私は会社と対等な労使関係にありません。下手に働くと会社がザード@を違法労働させていた事にもなりますし、勤労を拒否させていただきます」

「うん、分かったわ。しかしとんでもないな」

「あー、とりあえずこういう状況になってしまったので先に退職届だけ渡しておきたいんですけど」

「その方がいい。明日客先でてるから渡しに来て。後、営業からは今日謝罪の電話があると思う」


 しかし1日待っても謝罪の電話などなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る