5/31
「昨日営業から電話なんてなかったですよ。どういうことですか」
「ええ……どういうことなの……」
「本当ですよ。とりあえず退職届は渡しておきます」
確かに受けったと言うとNさんは席に戻った。
朝会でザード@は今だに違法労働状態が解除されていないことを説明し、今日も労働を拒否すると伝えた。
それからネットサーフィンして遊んでいると営業のOから電話があった。
「もしもし、Oですけど。先日伝えしたテレワークの件についてなのですが、客先との調整が完了しましたので連絡します」
「そうじゃねえだろ! まず謝れよ!」
ザード@はまたいきなりキレた。こいつらは何なのだ。誤りもしないどころかテレワークとは何の話をしている?
「え、テレワークが可能な方向にやっと決まったと連絡してるんですけど」
「大体、何故昨日謝罪の電話を横さなかった? 私が怒ってるって理解できないんですか?」
「えっと」
「あのですね、もう5/31ですよ。辞めるって話どこ行ったんです? 来月から6月ですがOさんザード@が辞めるって話どこにもしてないんじゃないんですか?」
「ですから僕打合せに出れなくて説明をよく聞けてなかったんですよね。言われた通りテレワークについて調整したつもりだったんですが」
「で、今月辞めるって話はもう仕方ないとして来月辞められるんですか?」
「それは僕の不手際ですね。もっと関係各所に連絡とって調整するべきでした」
「だからさっきから言ってる調整って何ですか? その調整とやらをすれば私は今日今すぐ辞められるんですか?」
「いえ、それは……」
「前も言いましたがこっちはもう次決まってるんですよ。調整するって一体何を言ってるんですか? 内定先にザード@が電話してこっちの都合で8月入社にしてくれと言えと言う意味ですか?」
「そう言う訳ではなく……」
「じゃあどう言うことなんだよ」
「すみません」
「今更謝っても遅い!」
ザード@は電話を切った。
その後席に戻ったザード@はやはり一旦気分を落ち着けっようと表に出てコンビニまで歩き、コーラとからあげクンを買って戻ってきて休憩をした。というか今ザード@が働いてしまうと労働基準法に反する可能性がありヤバい。
一服してからスマホを見ると会社からメールが届いていた。
「先ほどの電話では失礼しました。さて、6月のテレワークは可能となっておりますのでお伝えしておきます」
このSES企業、マジでエンジニアを派遣していかに利益を出すかしか考えてないだろ!
「と言う感じです。メールを見る限り会社は本当に如何に6月分のザード@の売りを得るかだけを考えて動いていたようです」
「マジか……これで何も謝ってないのか……」
Nさんも衝撃を受けているが、これは本当に衝撃的であった。
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