ヒーローとおかんと幸せな日々

あの日、語り合ってた日から


一年が過ぎた。


俺はヒーローと暮らし始めた。


あの後、おかんが旅行から帰宅してきて…


全部、終わった事を話した。


ヒーローは、俺とおかんと四人で住むための家を建ててくれた。


「美月、これからは、みんな一緒やで」


「何も、怖いことなどないよ」


「みっくん、お母ちゃん嬉しいわ。こんな、立派なお家に住めて」


「そうやな。俺も嬉しいわ。」


そう言って、荷物を運ぶ。


運び終わって、仏壇に手を合わせた。


「こっちゃん、お父ちゃん、全部終わったよ。」


おかんが、泣いてる。


「これからは、幸せになるから見守ってや」


俺は、こっちゃんとおとんに話した。


「美月を幸せにしますから」


心春が、手を合わせて言った。


「俺達が、守ってくから。安心してや」


秋帆が、笑ってる。


「さ、今日はこっちゃんとお父ちゃんが好きな料理食べよか」


「うん。後さ、おかん俺な」


「なんやの?」


「ヒーローが、好きなんや。俺は、心春と秋帆が好きや。だから、結婚も子供もおかんに見せてあげれへん。ごめんな。」


俺は、涙が止まらなかった。


「何、言うてんの?最初から、諦めてたんやで。それやのに、こんな立派なお家建ててくれて、みっくんを救ってくれて、そんな二人と住めるなんて。お母ちゃん、宝物もらったわ。ありがとう、みっくん。結婚も子供もいらんよ。みっくんが、幸せで、一緒に居てくれる人がいるなら…。お母ちゃん、なんもいらんねんで」


おかんは、笑って泣いてる。


「美月にまた会えてよかった」


「ほんまに、再会できてよかったわ」


心春と秋帆が、笑ってくれてる。


「お母ちゃん、嬉しいわ。あの日のみっくん怖かったから…。もう、戻ってこんかったらどうしようっておもっとった。なのに、旅行から帰ってきたら…幸せそうにわろてた。嬉しかったわ。全部、ヒーローのお陰やで」


「僕達は、何もしてないですよ。」


「全部、美月が自分で選んだ事やから」


心春と秋帆が、おかんに笑ってる。


「ほんまに、ありがとうね。二人が、おらんかったらみっくんは今頃、警察につかまっとったよ。二人がおったから、引き留めれた。お母ちゃんだけやったら、何も役にたたんかったから」


おかんは、心春と秋帆に頭を下げる。


「ほんまに、頭上げて下さい。俺等は、何もしてませんから…。ただ、俺等が美月とおりたかっただけやから」


そう言って、秋帆が笑った。


「僕達の事、受け入れてくれてありがとうございます。」


心春が、おかんに頭を下げた。


「気にせんで、ええんよ。ほら、ご飯食べよか」


おかんは、あの日ヒーローに初めて食べさせたお鍋を食べさしてくれた。


「ほら、デザート食べよ。こっちゃん、おとうちゃん」


食べ終わったおかんが、仏壇の前に行って話しかけてる。


「みんなも、食べよか」


おかんは、ショートケーキをみんなに渡した。


「何や、子供が三人も増えたみたいで。嬉しいわ」


おかんが、泣きながらわろてる。


「よかったです。」


心春が、笑って言った。


あの日、同窓会に行けと言ったんはこっちゃんで


ヒーローに助けられるように仕組んだんもこっちゃんやと俺は思ってる。


こっちゃん、俺、幸せになるで


おとん、俺、おかんを幸せにするからな


ヒーロー、俺は二人が大好きや。


これから先の未来は、幸せでいっぱいやってわかる。


俺は、もう過去に縛られて生きへん。


ヒーローとおかんと、新しい未来に向かって進んで行くだけや


俺の人生なんて、辛いだけやと思ってた。


ヒーローが、それを変えてくれた。


二人がいるから、生きていけるんや。


この先も、ずっと…。


「美月、これからもおろうな」


「うん、僕もいるから。」


「お母ちゃんも、いたげるからな」


「みんな、ありがとう。大好きやで」


俺は、みんなに笑いかけた。


これからの、未来は幸せしかないよ。


こっちゃん


おとん


俺も、おかんも大丈夫やから


王子様とずっと生きて行くから


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俺の王子様-3lover- 三愛紫月 @shizuki-r

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