おかんとランチ
「よく寝たよ。」
そう言って、心春が起きてきた。
「おはよう」
「おはよう」
そう言って、俺の隣のソファーに座った。
「今、何時?」
「9時」
そう言って、秋帆が心春にもコーヒーを渡す。
「俺、おかんと11時半に待ち合わせしとるから。」
「うん。」
俺は、コーヒーを飲む。
「一週間以内に、お隣さんに行くからね。」
そう言って心春が、笑った。
「そんな早くこれるん?」
「いけるで、俺等、荷物少ないし」
「引っ越したら、連絡するから」
そう言って、連絡先を交換した。
「コーヒー、めっちゃうまい。」
「でしょ?秋帆がいれるコーヒーはすごく美味しいんだよ。」
「そうなんやね。ホンマに、うまいわ」
そう言って、コーヒーを飲んだ。
「これからは、幸せになろうね。美月」
「うん」
「そうやな」
そう言って心春と秋帆は、俺の頭を撫でてくれる。
俺、王子様みたいなヒーローと一緒にいる。
コーヒー飲み終わった俺に秋帆が、「スーツ着替えて行ったり、お母さん待ってまうやろ」って笑った。
「そやな、行くわ」
「先に、顔洗う」
そう言って、心春が洗面所に連れてきてくれた。
顔を洗った。
「シャワー浴びなくてよかった?」
「1日ぐらい、ええよ。」
「じゃあ」
心春が、髪の毛にヘアクリームをつけてくれた。
めちゃくちゃいい匂いがする。
「これで、バッチリやね」
そう言って笑った。
俺は、リビングに戻ってスーツに着替えた。
「カッター洗ってくれたん?」
「ああ、アイロンもあてといた」
そう言って、秋帆が笑った。
「ありがとう」
俺は、スーツに着替えた。
二人といると時間が、過ぎるのはあっという間だった。
「ほんなら、行くわ」
「じゃあね」
「気をつけや、じゃあな」
そう言って、俺は二人の家を後にした。
おかんと待ち合わせの駅にやってきた。
11時20分にはなってた。
「みっくん、早いな」
おかんが、走ってきた。
「お土産、ヤバいな」
「いっぱい、もろてん。」
「持ったるわ、重いやろ」
「ありがとう」
俺は、おかんと並んで歩いた。
「駅のロッカーで、預けよか」
「なんで?」
「みっくんと行きたいとこあんねん」
そう言われて駅のロッカーに荷物を預けた。
「タクシー乗るで」
おかんに言われてタクシーに乗る。
しばらく走ったら、お洒落なレストランについた。
「どこ、ここ?」
「お父ちゃんが、お母ちゃんにプロポーズした店」
そう言って入った。
おかんは、勝手にランチを頼んだ。
「みっくんのその姿見たらお父ちゃん思い出すわ」
ニコニコ嬉しそうにしてる。
「よかったな。」
俺も、なんか嬉しいわ。
「みっくん、ヒーローにおうて、つきもんとれたんやな」
おかんが、
「つきもんってなんやねん」
「明日にでも死ぬか殺るかって顔しとったで。」
おかんは、ニコニコ笑てる。
「なんやねん、それ」
ランチが、運ばれてきた。
「みっくん、デザート食べる時にお願い聞いてくれへん?」
「お願いって何?」
「明美さん、俺と結婚してくれませんか?ってゆうてーな。」
「なんでやねん。」
「ええやんか、減るもんやないし」
「35歳の男が、63歳のおばはんにそんなんゆわんわ」
「なんやの、酷いわ」
そう言いながら、おかんはご飯を食べてる。
途中から、泣きながら食べだした。
「こっちゃんの一周忌の5日前に、お母ちゃん、お父ちゃんとここのランチ食べにきたんよ。これ、食べて。二人で笑ったわ。」
そう言って泣いてる。
知らんかった。
それなら、しゃーないな。
食べ終わった皿が下げられて、ショートケーキとコーヒーが運ばれてきた。
こっちゃんの大好物やんけ。
俺まで泣きそうなる。
ショートケーキは、二度と家では出しません。おかんがあの日宣言したのを思い出した。
「一回しか言わんから、よく聞けよ」
ショートケーキ食べようとしたおかんが、俺をジッーと見る。
「明美さん、俺と結婚してくれませんか?」
そう言ったら、おかんの顔がパァーって明るくなった。
「嬉しいです。丈太郎さんと一緒にいれるなんて幸せやわ」って笑った。
「よかったな。」
俺は、おかんに笑って泣きながらショートケーキ食べた。
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