第4話 任務



 兵舎 会議室 『+++』


 一週間後。


 新しい任務が入った。


 カぺルの隊に。


 内相は、要人の護衛。


 やんごとなき身分の男性を守る仕事らしい。


 だが、そいつは鼻持ちならない人間だと噂されている。


 同僚兵士の事情通が色々と話してくれた。


 仕事であろうと、仕事でなかろうと、進んで守りたい人間ではなかったので、仕事に対するモチベーションがさがってしまった。


 聞くべきではなかったとカぺルはすぐに後悔した。


 任務の依頼書を読んだ同僚が、呆れた声を出す。


同僚「女なかせの公爵だってよ。ふった女が三桁を超えたとかで、誰に命を狙われているのか分からないとさ」


 痴情のもつれに兵士の力を借りようとするな、とカぺルは憤った。


 自分の尻くらい自分で拭けと言いたい気分だった


 その男は親のコネで、春にこの城の防衛部署の重役に就職したらしい。が、数日前そこに女の名前で爆弾が届いたそうだ。


 すぐに気が付いたからよかったものの。

 あやうく、室内で爆発するところだったとか。


 即座に、自分の身を守れないものが国をまもるところに、来るなと思った。


 それか、いっそもう城の外で誰かに刺されといてくれ、とも。


 あんな奴が上に立つより、そこら辺にいる一般兵士の方がよっぽど使える人間だろう。


 ヘタレでも、一応普通に動けるディークの方が何倍もマシだった。


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