第3話 二人の関係
執務室 『+++』
その日の仕事終わり。
報告書を作成し終えたカぺルは過去の事を思い出していた。
カペルとディークは同じ隊の兵士だ。
もうかれこれ三年は一緒に行動している。
兵士としてはほどほどのつきあいだった。
普段はへたれて、弱々しい印象しかないが、ああ見えて、ディークは優秀な兵士である。
そのため、実戦では役に立つ。
いざという時はちゃんと戦える兵士だ。
だからカぺルはそんなディークと共に、幾度も視線を潜り抜けてきた。
けれど、彼の性格が災いして、日常生活で衝突してしまう。
たまに面倒事に関わるのが困るのだ。
たまに捨てられたペットを拾ってきたり、他の兵士から雑用を押し付けられてくる。
その回数は数えきれないほど。
最初の頃は、真面目に付き合っていたが、今はもう対応がなおざりになってきた。
注意して、報告書が必要な事ならそれだけ書いて終わりだ。
ディークの性格を、根本的に改革するのは諦めかけてしまっている。
せめて自分でぜんぶやりきるだけの力があれば文句はないのだが、事あるごとにこちらに相談してくるのがたちがわるい。
ディークは人としては間違った事をしていない。
だから、困りごとがあれば解決してやりたいと思う、が。
無計画に人助けをするのは、自分のためにも、相手のためにもならないというのに。
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