ひまわり

ひまわりは造られた。

太陽に向かって並び立つ。


その小さな国はいつも貧しかった。

山と海に囲まれているため、他国との交易は少ない。

資源もほとんどない。

国民は勤勉で器用だったため技術者は多かったが、造ったものを使うためのエネルギーが不足していた。


エネルギー問題の解決のために、国中に『ひまわり』が設置された。

ひまわりと言ってもそれは花でない。

この国の技術者達が総力を挙げて開発した、発電システムだった。

『ひまわり』は、黒いパネルを複数の鏡で囲んだ集光ユニットと、それを支える支持ユニットからなる。

日中、太陽の動きに合わせて支持ユニットが角度を変え、集光ユニットに太陽光を集め続ける。

そして、集めた光は電力に変換される。


太陽に向かって立ち並ぶひまわりは、この国にとっての希望だ。

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