商談6 誕生町の起源?
――そうだった! 先方から電話が来ていたのを忘れていた! 俺としたことが。
「源です。ご連絡が遅れて申し訳ありません。運転中だったもので......」
運転中という言葉は口実として最適だ。これは今世紀最大の発明と言ってもいい。
『こちらこそ、リスケとなってしまい申し訳ございません。つきましては――』
先方から明日ということでアポが取れた。これで、もう少し誕生町を楽しめそうだ。そういえば大ちゃん寿司の店主が、近所に有名な神社があると言っていた。せっかくだから、参拝していこうか。
誕生駅からの道は鴨河漁港を横切り、そして
30分くらい歩いただろうか。目的地は一向に見えてこない。それどころか、段々と道幅が
俺は何気なく空を見上げた。空にはトンビが
石段は
やっとの思いで俺は頂上まで登った。そこは
「
あとで分かったことだが、これは誕生町の起源とされる神社だった。しかし文献の
真偽はさておき、ここはかなりの高所。誕生町の景色を一望できるのは大きな利点だ。この景色、是非とも写真に収めたい。俺は思わず、スマートフォンのカメラを起動する。ここなら、俺は一流カメラマンだ!
なるほど、ここなら神様が人々を見守るにはいい場所かもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます