突如として村に現れた『魔王』と、それを倒すべき存在である『勇者』との、戦いのお話。
ゲーム(RPG)のような世界を下敷きにした、異世界ファンタジー掌編です。
いわゆる魔王と勇者の最終決戦のお話……ではあるのですけれど。
でも冒頭から既に意外な展開というか、何か「最初の村」っぽいところに魔王が現れているのが独特でした。
お約束を逆手に取ったフック。「一体何事?」と惹きつけられます。
設定はライトながらも、しかしお話の筋そのものは大変にシリアス。
あるいは壮大というのか、世界の理のようなところにまで踏み込んで、しっかり世界の命運をかけた決戦を繰り広げてくれるところが素敵。
きっかり3,000文字とコンパクトな分量ながら、スケールの大きな物語でした。