プロローグ:「伝説」とは?
「おばあちゃん」
「なんじゃ?コウタ。」
「おばあちゃんって、もう何年も生きてきたでしょ?」
「おぉそうじゃよ。もう80年近くは生きておる」
「じゃあさ、これまでの人生で、何か凄い話を見たり聞いてきたり、してた?」
「おぉあるともあるとも。」
「え!あるの!教えてよ!」
「うーむ......しかし面白いかどうかはわからないのぉ......」
「いいのいいの!何か凄い話であれば何でもいいから!ね、お願い!」
「おぉ、凄ければいいのかね?」
「うん!」
「そうか......それじゃあ話すとするかの」
「やったー!」
「本当は話したくなかったのじゃが......年を取ると色々と丸くなるもんじゃのぉ」
――
「コウタは、『伝説』という言葉は知っておるかね?」
「え~......聞いたことはあるけど......」
「ほっほっほ、いいんじゃいいんじゃ。いいかいコウタ、今から『伝説』について教えてあげよう。今から言うことはおばあちゃんの知恵じゃ。よ~く聞いておくんじゃぞ。」
「う、うん......」
「『伝説』とはの......『他の人には絶対になしえないことを成し遂げてしまった人』のことじゃ。」
「え、?なしえ、ない......?」
「ほっほっほ、難しかったかのう?じゃあこう考えてみたらどうじゃ?」
「ど、どう......?」
「コウタは私と仲良くお話ができるじゃろ?」
「うん、そうだよ」
「でも、それができるのはコウタだけじゃ」
「......あ!確かに!お母さんもおばあちゃんにはなんか無口だし......確かにおばあちゃんと仲良くお話できるのは僕だけだ!本当だ!やった!」
「ほっほっほ、それが『伝説』じゃ。」
「え!?僕、『伝説』なの?」
「おぉそうだとも、コウタがコウタにしかできないことをしたら、それはもう『伝説』じゃ。」
「えぇ~、嬉しいな!」
「ほっほっほ。このようにの、『他の人には絶対になしえないこと』をしてしまったら、それは『伝説』となるのじゃ。わかったかの?」
「うん。大体はわかったけど......その、『してしまった』って何?」
「おぉいい質問じゃの。実は、『他の人には絶対になしえないこと』とは、そう簡単にできることではないのじゃ。」
「え?どうして?」
「よ~く考えてみるのじゃよ、コウタ。簡単にできることだったら、誰でも真似ができてしまうじゃろ?」
「う、うん......」
「だからその......『伝説』になるためには......少しだけ普通ではない行動をとらないといけないのじゃ......」
「普通、ではない......?」
「そうじゃ。もちろんいい意味も含んでおる。しかしのぉ......」
「......え?」
「その、いわゆる、『奇行』に分類されてしまう『伝説』も、少なからず存在するんじゃよ......」
「『きこう』......って、何?」
「見てて、思わず可哀想に思ってしまうようなことじゃよ。」
「そ、そうなの......?」
「そうじゃ。こればかりは事実であるから仕方がないことじゃが......」
「うん......」
――
「これから私が話す『伝説』は、そういう『奇行』に近い『伝説』も含んでおるかもしれないのじゃ。それでも本当に聞きたいかね?」
コウタ、しばらく考える......
「......うん、聞くよ!やっぱり気になるよ!!!」
「ほっほっほ、わかったわかった。じゃあ話し始めるとするかのぉ。」
おばあちゃん、コウタに話し始める......
伝説の記録 Androidbone @FRICAKE_UNIT
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