靑い風
「時に、
「あら、まあ、
「いや、何――。まあ、さうなんだが…… 僕もあの
「知らないわ――」
「知らないつて?
「知らないわ…… よし知つてゐた所で、
「おまへ――、まさか…… ――あの
「――何、
「莫迦な事かね?」
「さうだわ。
「さうだらうか?」
「――其より、ほら〳〵、
「まあ、はぐらかしなさんな。
「あら、お
「――おまへさん、
「あら、
自分が何も答へず苦さうに杯を
自分以外の客とても無く、開放たれた
自分も
同じ曲を何度も繰返し
今度は鼻歌迄。
自分は意趣返しも兼ねて大きく手を叩いた。
「おい、銚子…… 銚子だよ! 空いてるよ! ――おい! 誰かゐないのか!」
遠くから閒の拔けたやうな返事が聞こえる。
相も
磯鶫、月琴、鼻歌、木漏れ日、靑い風――
が、
じろりと睨まれる。
途端に二人共
註:九連環參考 https://www.youtube.com/watch?v=J4r1elop6a8
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