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「海人っていつもカッコワルイなあって思ってた。でも意外と努力家だしカッコイイところもあるんだなあと思った。少なくとも今日は誰よりも一番カッコイイよ」

「そ、う、かな」

「そうだよ。私、海人のこと見直した。というか……」

「と、いうか……?」

「好き……かも?」

「ぎ、もんけい……?」

「いや、好き! 好きだよ!」

「ぼ、く、も」

 海人はなぜか躊躇せずに返した。

「えっ? 海人ってえりなのことが好きなんじゃないの?」

「ちが、う。ずっと、ずっと、みさ、き、が、すき」

 海人は真っ直ぐに私を見つめる。

(こ、これはキスの展開?)

 しかし海人は「かたに、ゴ、ミ、ついてる」と言った。

(バッキャロー!)

「海人のばーか。あんたのお嫁さんは私しかいないみたいだね」

「ん?」

「あんたのお嫁さんは私しかいないみたいだね!」

 大事なことだから二回言った。

「うれ、しい」

 海人は理解したようだ。

「ばーか、海人なんかしらない!」

 海人を背に歩き出す。

「ま、まてよー」

 情けない声をあげるもどこかうれしそう。

 夕日に照らされ歩く私たち。

 これからもずっとずっと一緒に。



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