第97話 神様と第二回ハーレム会議

 エレオノールが、私のハーレムに加入した。これで、パーティメンバー全員が私の恋人になったことになる。コンプリートだ。ハーレムの発起人であるディアネットも喜んでくれるだろう。


 私にとってエレオノールのハーレム加入は、一大ニュースなのだが……。


「これからよろしくねー!」

「よろしくね」

「よろしく…」

「はい。皆さんよろしくお願いします」


 リリム、ミレイユ、ディアネットの3人は、驚きもせずに普通に受け入れていた。


「だって、エルエル見てればルールー好きなの分かるし」

「そうね。まぁこうなるだろうとは思ってたわ」

「時間の問題…」


 3人は、とっくにエレオノールの気持ちに気が付いていたようだ。知らぬは私ばかりだったか……。もしかしたら、私は恋愛に鈍感なのかもしれないな。


 こうして、パーティメンバーが全員女で恋人という異色のハーレムパーティが誕生したのだった。



 ◇



 そんなある日。


 エレオノールが加わったということで、第二回ハーレム会議が開催されることになった。場所は、私の部屋だ。さすがにリビングで、アリスの目がある所でハーレム会議は恥ずかしいらしい。ということで、この前部屋を大改造した私の部屋で開催される運びとなった。


 皆で大きなベッドの上で車座になって座って、会議が始まる。


 そこで、エレオノールからこんな提案が出た。


「わたくしは、もっとルーとの2人っきりの時間が欲しいです。ですので、ルーの1日占有権というのはどうでしょう?」


 1日占有権とは、その日1日中、私を独占できる権利というものらしい。私と1対1の一途な恋をしたいエレオノールらしい発想だ。


「面白そうだけど、ルールーを独占した人以外が寂しくならない?」

「そうね。私なら嫉妬しちゃうかも……」

「難しい…」


 エレオノールの提案は、あまり受けが良くないようだな。


「みんなで遊んだ方が良くない?みんな仲良くなれるし」


 リリムの言葉に強く頷いて同意を示すディアネット。


「でも、ルーと2人っきりの時間というのも欲しいのよねー……」


 ミレイユは迷っているらしい。


「無論、わたくしもハーレムの皆で仲良くなることには賛成です。仲違いなどはしたくありません。ですが……」


 そこで一旦言葉を区切るエレオノール。目を閉じて、自分の考えをまとめているのかもしれない。エレオノールは顔が良いから、なんだか絵になる光景だ。


 やがて結論が出たのか、エレオノールが目を開く。


「現状、わたくしたちは……この場合のわたくしたちは、ルーを除いたハーレムのメンバーであるわたくし、ディアネット、リリム、ミレイユの4人です。わたくしたちはルーを介して繋がっている形です。ルーが居ないと、わたくしたちは良いお友達ではありますけど、それ以上ではない気がします。ですので、わたくしたち4人の仲を深めるためにも、ルーを1日占有できなかった方たちで一緒に遊ぶというのはどうでしょう?わたくしたちは、ルーを介さない横の繋がりも大事にするべきです。せっかく同じ方を愛しているのですもの、きっと仲良くできると思います」


 そこまで一気にしゃべったエレオノールが、皆の反応を窺うように見渡す。


「それならいい…」


 真っ先にエレオノールの案に乗ったのはディアネットだった。ディアネットはハーレムメンバー全員と深い仲になりたい人なので、エレオノールの言うように、横の繋がりを強化したいのだろう。


「あーしもみんなとは仲良くしたいから賛成かなー」

「そうね。ルーばっかりじゃなくて、みんなと仲良くしないとね」


 リリムとミレイユもエレオノールの案に賛成した。


「ルーはどうですか?」

「面白そうな試みだ。私としても、皆が仲良くしてくれると嬉しいからね。まずはお試しで導入してみてもいいんじゃないかな」

「そうね。試してみないと分からないこともあるでしょうし」

「そだねー」

「やってみる…」


 エレオノールの案は最終的には全員の賛同を得て、試しに導入してみることになった。1日占有権か……皆は私を1日独占できるとしたら何がしたいんだろう?そこも気になる部分だ。


 その後もハーレム会議は続いていく。とは言っても、あまり決めることはない。私は皆を平等に愛すること。アリスの前では過度ないちゃいちゃはしないことなどが決まったくらいだ。


 ハーレム会議も終わり、せっかく5人揃っているのだからと、今日はこのまま5人で寝ることとなった。大きなベッドを買っておいてよかったね。早速大活躍だ。


「えっ!?5人で!?5人でするんですか!?」


 エレオノールがひどく驚いていたが……。


「そだよー『夜会』って言うんだけど、みんなで一緒にすることもあるんだよ」

「まぁ最初は驚くわよねー」

「慣れる…」

「そうそう。慣れる慣れる。ルールー脱がせてー」

「あ!ズルい。私もやって」

「私も…」

「分かった、分かった。ほら、バンザーイ」

「バンザーイ」


 リリムの着ていたぶかぶかのTシャツをスポンと脱がせると、リリムのおっぱいが目の前にぷるんと跳び出す。


「あんっ!」


 私はリリムの胸を揉みながら言う。


「今日はエルの夜会初参加だ。皆でもてなしてやろう」

「いいねー」

「エル、がんばってね」

「もてなす…」

「えっ!?」


 皆でエレオノールを囲んでおもてなしだ。


「皆さん…?いったい何を…?あっ…ちょ…そこはっ……ダメぇ……あっ……」

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