第93話 神様と皆でお風呂②
「なーんか納得いかないのよねー」
白い湯気が充満した広い空間にミレイユの声が響く。まるでエコーのように響いたミレイユの声には、本人も言うように納得いかないのか、不満そうな響きがあった。
ここは赤の女王邸。冒険者パーティ【赤の女王】が拠点にしている屋敷のお風呂だ。ダンジョン帰りに皆でお風呂に入れるようにアリスが造らせたのか、浴室としては破格の広さを誇っている。こんな広い浴室を持っているのなんて王侯貴族くらいだろう。いや、下級の貴族にも無理だな。貴族の中でも一部の上級貴族か王族でもなければ、とてもこんな浴室を造ろうとは考えないだろう。維持管理が大変だからね。
普通の平民は、湯で濡らした布で体を拭うのが精いっぱいだろう。もしくは、ここは大きな川の上に建つ水上都市だから、もしかしたら川で水浴びでもしているのかもしれない。なんにせよ、平民には湯船に浸かるなんて贅沢はまず無理だな。
そんな贅沢な思いをして、まだ不満があるのか、ミレイユは浴槽の中で腕を組んで、難しい顔で上を睨んでいる。
「何が納得いかないのだ?」
いつものように、浴槽の中でディアネット後ろから抱きつかれたまま座る私が、ミレイユの不満を聞いてやろう。頭をぽよんと柔らかいディアネットの胸に預けた私の心は広大だよ?今ならなんでも許せそうな気分だ。
「ドロップアイテムよ。なんで棍棒ばっかりなのよ!」
ミレイユはどうやら今日の稼ぎが気に入らないらしい。棍棒、売っても安いもんね。
「オークが棍棒をドロップするのは、まぁ分かるわ。あいつら棍棒使ってるものね。私が納得いかないのはゴブリンよ!あいつら鉄の剣とか斧使ってるじゃない!なんでそいつらを倒してもドロップアイテムが棍棒なのよ!剣落としなさいよ、剣!」
大分不満がたまっているのか、一気にまくし立てるミレイユ。まぁ言ってることは分からんでもない。ゴブリンが鉄の装備をドロップしたら、稼ぎが一気に跳ね上がるからね。鉄はいくら有っても需要に追い付かないほど需要の高い金属だ。もちろん、その分だけ売値は高い。棍棒なんかとは比較にもならない。
「私が一番許せないのは、コウモリよ!なんでコウモリ倒してもドロップアイテムが棍棒なのよ!おかしくない!?」
たぶん、ダンジョンを造った女神であるリアレクトが手を抜いただけだと思うよ。
「うんうん、そうだねー」
私はディアネットの太ももの内側を撫でながら答える。柔らかくて気持ちが良い。
一見、ミレイユへの対応が雑に見えるが、これでいいのだ。彼女は私に話を聞いてもらいたいだけで、私の意見を欲しているわけではないのだから。
「ルーもそう思うでしょ!?」
「うんうん、そうだねー」
ミレイユに適当にを相づちを打っていると、浴槽に近づく人影があった。
「まあまあミレイユ。今回のダンジョンでは良い事もあったじゃないですか。すごいですよ、石鹸の効果」
「そうそう。すっごいすべすべになるんだから!」
エレオノールとリリムだ。彼女たちは今まで自分の頭や体を洗っていたのだ。もちろん、今日見つけた宝具の石鹸で。その効果は実感できるレベルらしい。2人とも自分の腕を撫でて感動している。
2人が洗い終わったということは、次は私たちが体を洗う番だな。宝具の石鹸の効果とやら、楽しみだ。
私はディアネットの背もたれから立ち上がると、エレオノールとリリムに近づいていく。
ふーむ……見た目では変化が無いように見えるが……二人の反応を見るに、触れば分かるのだろう。
「2人とも、ちょっと触らせてもらってもいいか?」
「ええ、どうぞ」
「いいよー」
触っていいらしいので、私は2人のおっぱいを鷲掴みしてみた。もみもみ。
「…え?」
「あんっ!」
ふむ……。こうして比べてみると、おっぱいにも個人差があることがよく分かるな。
エレオノールのおっぱいは、程好い大きさで、しっとりと柔らかい。ハリや弾力も十分にあり、吸い付いてくるような手触りだ。
リリムのおっぱいは、片手では収まらないほど大きい。十分柔らかいのだが、とにかく弾力がすごい。もみもみすると、ぽよんぽよんと指を押し返してくる。
「る、ルー。や、止めて、くださぃ……」
「………」
エレオノールが顔を真っ赤にして、口では止めろというが、その声は小さく、弱弱しい。手を振りほどきもしない。混乱しているのか、手をあわあわと動かしているだけだ。
リリムは無言で、逆に胸を張ってこちらの手におっぱいを押し当てているような感じだ。リリムの方が背が高いというのに、器用に上目遣いで見つめてくる。その目がだんだんと蕩けていくのが分かった。欲望に素直なリリムらしい反応だ。
これ以上揉むのもエレオノールが可哀想なので、この辺で切り上げるか。リリムなんてこれ以上すると、おっぱじめかねない。自慰行為とか。
私は最後にもみもみすると、2人のおっぱいから手を離した。それぞれ良いおっぱいでした。ごちそうさまでした。
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