第94話 神様と膝枕

 夕食後、しばらくリビングでリリム、ミレイユ、ディアネットといちゃいちゃしていた。エレオノールが、夕食後すぐに自室に戻ってしまったため、ちょっと開放的になってなってしまったのだ。まぁ解放的といってもちょっと胸を触ったり、したとしてもディープキスまでだけどね。さすがにそれ以上はしない。


 普段は、エレオノールの目があるので、リビングでこんなことしない。エレオノールの前では、あまりいちゃいちゃしないように心掛けているためだ。パーティ内で唯一ハーレムに入っていないエレオノールが、寂しい思いをしないように、皆で決めたことだ。


 リビングという場所が新鮮なためか、皆ちょっと恥ずかしそうだった。エレオノールの目がなくてもアリスの目があるからね。アリスが居ない内にいちゃいちゃして、アリスが居る時は普通におしゃべりに興じた。なんだか、親に隠れて秘密の遊びをしているようで、ちょっと楽しかったな。


 その時、膝枕したりされたり、皆で膝枕をし合ったのだが、個人によって全然感触が違うのが印象的だったな。


 ミレイユの膝枕は、まぁ普通の膝枕といった感じだ。ミレイユの細い太ももは、見た目に反してぷにぷにと柔らかく、とても寝やすかった。目を開くと、ミレイユを目が合うのも良いポイントだ。普通、下から見ると不細工に見えると云うが、ミレイユは下から見上げてもかわいかったな。膝枕をしているミレイユが、頭を撫でてくれるのもポイントが高い。見た目は幼いのに、ミレイユの中に母性を感じてしまった。なんだかそのギャップが危ない魅力を放っている。


 リリムの膝枕は、高反発枕といった感じだ。リリムの太ももは、よく訓練などをしているため、よく発達している。この4人の中で、一番太い太ももの持ち主だ。リリムの太ももに頭を乗せると、しっかり柔らかいのだが、ぽよんとした弾力があり、しっかり頭を支えてくれる。あと、特記すべきは、そのおっぱいだろう。十分巨乳といえるおっぱいの持ち主であるリリムの膝枕は、上を見上げてもリリムの顔が見えないほどおっぱいが突き出ている。下から見上げるおっぱいというのも、なかなか乙なものだった。リリムはサービス精神豊富で、私の顔を膝とおっぱいでサンドしてくれた。リリムの顔が見れないのは、残念だけど、柔らかく温かいものに包まれて幸せだった。


 ディアネットの膝枕は、しっとりやわらか膝枕だった。ディアネットの細ももとも云える太ももは、私の頭の高さににジャストフィットした。一番寝やすい膝枕は、ディアネットだったと思う。ディアネットの太ももは、私の頭をしっとり優しく受け止めて、とても気持ちが良かった。そして、なんといってもおっぱいだ。私よりは背の高いディアネットだが、女性としては比較的小柄な方である。リリムのように屈まなくても、自然と顔が太ももとおっぱいに挟まれた。しっとり柔らかな太ももとおっぱいにサンドされて、私は大変満足である。ディアネットの顔が見れないことが残念ではあったけどね。


 3人の膝枕をそれぞれ堪能した私だが、私も3人を膝枕した。私もミレイユに倣って、膝枕しながら3人の頭を撫でたのだが、ミレイユはちょっと恥ずかしそうに、ディアネットは気持ち良さそうに目を細めていたのだが……リリムは鼻息を荒くして、目に怪しい光を宿していた。すごく興奮しているようだった。リリムの中の性癖にでも刺さったのかもしれない。そういえば、リリムはミレイユに膝枕してもらった時もひどく興奮していたような気がする。もしかしたら、年下の子に甘やかされるのがリリムにとって興奮するものだったのかもしれない。まぁ人の性癖はそれぞれだから何もいわないけどさ……リリムって属性多いなぁ……。


 そんな感じでいちゃいちゃしていた私たちだが、何事にも終わりはある。もういい時間ということで、リビングでのいちゃいちゃタイムは終了となった。これからは夜のお時間である。今日の相手は、ディアネットだ。ディアネットは、久しぶりに私と2人っきりでの逢瀬を望んだ。いつも『夜会』を開くディアネットには、ちょっと珍しいことだ。


「じゃあねー」

「また明日」


 廊下でリリムとミレイユと「おやすみのチュウ」をして別れ、いざディアネットの部屋に行こうとした時だった。


『ルー…あぁルー……ルー……』


 耳元で、微かにエレオノールが私の名を呼ぶ声がした。精霊の仕業である。風の精霊が、「神様呼ばれてるよ」と気を利かせてエレオノールの声を拾って来てくれたのだ。


 それにしても、このエレオノールの声……もしかすると……。


「ディア。すまないが、今日はお休みでもいいか?」

「…?」

「今日はこれからエルの部屋に行こうと思う。今がチャンスかもしれない」

「さっきの精霊…?」


 ディアネットは精霊が見える珍しい人間だ。私の耳元にエレオノールの声を運んだ精霊も見えていたのだろう。


「そうだ。もしかすると、エルもハーレムに入るかもしれない」

「…っ!」


 ディアネットにとって、エレオノールがハーレムに入るのは望んでいることだ。ディアネットはパーティメンバー全員と深い仲になりたいのである。よく私にエレオノールをハーレムに誘うようにせっついてくるほどだ。そのエレオノールがハーレムに入るかもしれないチャンス。


「行ってあげて…」

「すまんな……」

「いい…」


 本来なら、これからディアネットと甘い一時を過ごす予定だったのだ。ディアネットには申し訳ない気持ちになる。でも、ディアネットもエレオノールがハーレムに入ることを望んでいる。今日は我慢してもらおう。


「この埋め合わせはいつかしよう」

「待ってる…」


 そう言って、ディアネットは私の肩をエレオノールの部屋の方に向けて押すのだった。行けというのだろう。


「すまんな……」


 最後にもう一度謝って、私はエレオノールの部屋へと歩き出すのだった。

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