練習

@14go

あ 阿吽の呼吸

 僕は意外と空気の読めるのではないかと勝手に自負している。

しかし、動作だったり発言が被ることがあったりしたということもあって、堂々と口に出すわけにはいかないなあ、と思っている。だから完全に自己完結してる。

 思い出すと、友達と一緒に校内を歩いていた時に先生に礼をしたことが唯一記憶に残っていた。

 先生をみつけて、

どのくらい良く対応しようか考える数秒(礼をしようか迷っていた)と、

腰を曲げる角度(これは大体ちょっと曲げた状態から尊敬している分だけ深くなる)、

先生への尊敬(実はなかったりする)

の三拍子が揃い、さらに身長まで大体同じくらいなもんだからシンクロ率が高かったらしい。

そしてその先生が言った言葉とは……、

「すごい揃ってるね!よし、じゃあ評定を限界突破してあげよう!」

は?としか感想はない。

というか先生が言ったことをちょっと改変していると思う。でも大体こんな内容だった。

評定を限界突破するってなんだよ、そう思った人は少なくないでしょう。

測定不能で結局授業受けていないのと同じだということで、しばらく先生への尊敬の分適当に話して別の場所に行ったわけですが。

 こんな感じで、阿吽の呼吸なんて碌な思い出がないですな。

「「すごい」」とかなった次の瞬間にはちょっと嫌な顔をされたりする。まあくそでぶと言うことが被ったりして、それでいて文句の一つも言わせてもらえないから相手も気の毒だなあ、とだけ思ってある所存です。

……あれ?僕ってあんま空気読めないのかなあ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

練習 @14go

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る