第12話 話し合い

「玲司、まだ帰ってこないじゃないか。なんで麗奈1人で帰ってきたんだよ。あいつ、このまま帰ってこないつもりじゃないのか。会社だって、1週間も休んでたら、首だろ。」と潤也は首を人差し指で切るしぐさをする。

「それなら、連れ戻しにいけば。」

「できるものなら、そうしてる。」

「イライラを私にぷつけないでよ。」

「よく平然としてられるな。麗奈は、冷たいよ。」

「だからって何も出来ないでしょ。」

「う、メール。玲司からだ。えっ、親父さん亡くなったって。」

「うそ!」


2週間後、玲司は、帰ってきた。

「潤也、麗奈、座ってくれないか。」

2人は、しおらしく座る。

「俺のわがままで今まで2人に付き合わせて悪かった。親父が残した借金、俺が返していくしかない。実家に戻るよ。」と離婚届を差し出す。

「そうなるよね。」と麗奈。

「俺、嫌だよ。玲司、俺のこと好きじゃないのかよ。」

「好きだよ。潤也の側にいたいに決まってるじゃないか。」

「やめてよ、2人とも。」と立ち上がった瞬間に麗奈が倒れる。

「えっ、麗奈ちゃん。」と驚く玲司。

「おい、大丈夫かよ、おい。」と慌てる潤也。

救急車を呼ぶ手が震える。

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