第2話 プチ家出したぼくの事情
小学6年生のぼくは、ただいま現在、家出を決行中なのであ~る。<(`^´)>
もちろん、本気の家出じゃないけど、夕方まで絶対に帰ってやらないんだ~。
🤔👟
だってさあ、ひどいんだぜ、とうさんもかあさんも、それに兄貴や弟のやつまで、みんなでぼくのこと笑いものにして、まるでボールでも蹴るみたいにさあ……。⚽
そりゃあぼくは3人兄弟のなかで一番ドンくさいかもしれない、それは認めるよ。
だけど、生まれつきっていうか、それがぼくの個性なんだから仕方ないでしょう。
兄貴も弟も、勉強はできるし、足は速いし、絵はうまいし、まあ、優等生だよね。
そのふたりのあいだに挟まれたぼくだけが、いつも置いてけぼりなのさ。(*ノωノ)
これでも自分じゃ一所懸命やってるつもりなんだけど、結果がついて来ないんだ。
あと、ついでにけんかも弱くてさ(笑)、泣くのはいつもぼくと決まってるんだ。
😮💨🌿
あのね、自分で言うのもなんなんだけどさ、大器晩成? あれだと思うんだよね。
でも、そんなことを匂わせようものなら、それがまた癪にさわるって大騒ぎだよ。
とうさんやかあさんも? いやいや、さすがにそれはない、兄貴と弟のやつがさ。
「おまえなんか一生ビリでいろ」とか「にいちゃんの弱虫」とか言われほうだいで。
けど、ぼく、早くしゃべるのが得意じゃないから、惜しくても言い返せないんだ。
もぐもぐしていると、兄貴も弟もぼくの何倍もの言葉の
🤢🍳
今朝だってそうだよ、ぼくは目玉やきの半熟が食べられないって知っているのに、あれはわざとさ、テーブルのお皿を替えたのは、兄貴か弟の仕業に決まっているよ。
無理やり食べさせようとするから、思わず手で払ったら味噌汁がひっくり返って。
「なにやってるんだ!」「また、あんたなの?」とうさんかあさんにも怒られてさ。
兄貴と弟は知らん顔を決めこむし、ぼくは例によって言い訳できない……で、家を飛び出てやったのさ、「くふ~ん」と心配顔のココはかわいそうだったけどね。🐕
😡🦖
衝動的に飛び出したのはいいけど、ブッチャケ、行くところがないわけじゃない?
とぼとぼ歩いていたら街のはずれに出て、自然に足が古墳山に向かっていたんだ。
なぜって言われても困るんだけど、保育園のときバス遠足で行ったことがあって、メチャメチャ景色がいいいところだったような記憶があるから、それでだったかも。
坂道を登って行ったら、とつぜん深い山に分け入って行くから少しビビったけど、ここまで来て引き返すのもアレだと思って、大人のあとについて登って行ったんだ。
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