第39話 わくわく模擬戦
サァー
「
「
雨上がりの
まぁ
こちらの
建物の裏に、バスケットボールのコート程の、石畳の広場が、
ざらりとした感触の石畳で、
広場の
右手の、
これらは、定期的に手入れされてるよね?
いつ亡くなったんだっけ? ワードマンさんの子孫が、代々手入れしてるのかな?
あの世でも、
シャリーン
忙しいんじゃ、無かったっけ?
アレ?隣の
【わかっておるよ。コレを見届けてからじゃ】
あぁ、
身体全体から『ゲンナリ』している気配は分かる。
お気の毒に......
さて......
ワードマンさんに、注目する。
「......ワードマンさん。
「はい。
まぁ、互いに『生身』同士で、
「はいはい。遠慮なく
木剣を右手に、ワードマンさんの間合いに進む。
ひゅん
カッ!カカカカカッ!
猛は自然に近づき、自然に木剣を振る。
いや、彼の木剣は、すばやい
「ぬ!」
ワードマンは、
「いきなり来るのは、やめてください(汗)」
猛は、にこりと微笑む。
猛が木剣を振り出す『起こり』が、読めない。
普通は
自在に動き、止まらない。
しかも彼は、するすると近づいて来たかと思うともう、ワードマンの木剣の間合いを、ギリギリ外す。
ガキッ ぎゅにゅ!
「うわっと!」
ワードマンもかろうじて、木剣を
「くっ!」
ザッ
ワードマンはたまらず、後方に大きく飛び、間合いを取る。
「は、は、は、は、」
鍛え上げられた武人らしく、鋭い
猛は息も切らさず木剣を、静かに
打ち合う間、ワードマンは、猛の木剣しか認識出来なかった。
猛の気配は、どんどん木剣の影に
そして、木剣の全てから、自在の打撃が放たれる。
さらに、
その重い打撃は、持つ木剣の
そのまま打ち合っていたら......木剣を持つ
「フヒュー......タケシ殿は、何流でしょうか?」
「
「『
「はい」
「武術の
「目指しています」
「なるほど。こちらも、トレアドール
「喜んで」
「いざっ!」
ゴゥッ!
ワードマンさんは、木剣を中段に構え、一足で飛び込んで来る。
ガキッ
鋭い刺しこみを、木剣の凌ぎで弾く。
ワードマンさんは左手で、猛の右腕に
ビシッ
右肘を少し
弾かれた指を拳に握り、肘を打ち込んで来る。
半回転しながら、逆に肘をワードマンさんの肘に打ち込む。
ゴリッ
「ぐ」
ワードマンさんは身を下げ、足払いを掛けてくる。
その足首を、猛の足首が引っ掛け、引く。
「ぬ」
ワードマンさんは、引かれながらも身体を引かれた方に半回転し、反対足の
ゴッ
猛は額の真正面で、
「ぐ」
ワードマンさんの
ハンマーの様な
「ふんぬ」
頭を下げた猛の首を、腕で締め付けようとしてくる。
ガバッ
右手に木剣を持ったまま、ワードマンさんの腰を両手でタックルし、
ブワッ
ズシン
ワードマンさんの身体を腰からすくい上げ、コンパクトに回して、石畳に叩きつける。
「ぐふっ」
背中は、強い衝撃が入る。
軽く息が
ゴッ
肘打ちを猛の顔......いや、石頭で受け止められた。
打った肘が、痛い。
が、腰の締め付けが、わずかにゆるむ。
素早く腰をひねり、両腕から逃れる。
ヒュン
ガキン
猛は寝転がりながら木剣を振るい、ワードマンさんは寝転がりながら打撃をいなす。
パッ
ワードマンさんは
「う?」
視界に、猛がいない。
するり
背後から、両腕が刺し仕込まれる。
無意識に半身をひねり、
猛は、中空に投げ飛ばされる。
「ふん!」
ここぞとばかりに、猛の腹に
ガキッ! ぐにゅん!
見事に木剣で受けるばかりか、巻き込み技を繰り出し......
スタッ
ワードマンの木剣を『巻き込む力』を
「は、は、は、は、は、は......フゥ〜」
ワードマンは
息も乱れていない猛は、静かに青眼で構えている。
「な......なるほど、全て『
「
「
「トレアドール流は、『
「そちらこそ......
どれも決め技を放ったつもりなのですが、すべて『
「実は『真円流』も、
「......参りました。私には、もうこれ以上の手はありません」
ワードマンさんは、木剣を静かに置く。
「......ありがとうございました」
木剣を
シャリーン
パチパチパチ パチパチパチ
【 さすがね猛、また腕を上げたわね 】
「ありがとうございます」
【 すごい...... 】
何故か、後ろの護衛の
【......
「え?」
猛は、改めて
背の『
空中戦も、おさらい出来るか。
「......
【!......良いのか?】
空中戦は、
「ええ。胸をお借りします」
【良きかな!】
カシャン
バサッ
「あ、
【
既に、かなりな上空を、
「では......」
ドンッ!
飛び出した猛は一瞬で音速突破し、発生した白いベイパー・コーンに包まれる。
ボヒュン!
フワリと飛ぶ
【うわ!】
が、天照大御神様・愛し子の、この速度はなんだ!?
まるで目に止まらぬ!
ヒュオン
猛は更に高い位置で、水泳のターンの様にクルリと身を反転させると、
ギャリーン!
シュパッ
ドンッ!
再度ベイパー・コーンに包まれた猛は、亜音速で迫る。
猛の方が圧倒的に早いのだが、
『零式艦上戦闘機(
猛はその速度と、最新のトリッキーな
キューン
シュシュシュシュ
しばらく背後の『取り合い』が続く。
シュパッ
「......なんですか?あの......二人の動きは! 」
ワードマンさんは、
あの様に『飛べ』たら、生きていた頃の戦争に、どんなに有利だったか......
【......地球の人族は、かなり前から鳥を見て、飛ぶ事に
約二世紀前に『ライト兄弟』が初めて、人族が乗って飛べる『
シャリーン
天照大御神は、
【それから、先人達が『
シュパー
戦闘区域を目いっぱい使い、互いの背後の取り合が続いている。
クルクル ギュン!
しかし、ジワジワと猛の
猛はまだ、運動性能に余裕がある。
さらには『
その
また『
【むぅ!】
ブワッ
急に黒い羽根の片羽だけ広げ、高速でくるりと体制を回し、迫る猛に『出会い頭』の打撃を打とうとする。
ガッ
ギャリン!
猛は錫杖の『棒』を
ドンッ
【ぐ!】
一瞬で半回転し......
惜しむらくは
猛が蹴り脚を引きながら、反対脚で蹴り出す『間』が出来た。
ズン!
互いの足裏同士が、激突する。
【ぐ】
シュッ
棒が、
【......参った】
「ありがとうございます」
猛は棒を収納し、空中で一礼する。
二人で、ゆっくり降りてゆく。
【真円流か】
「はい。私は
【そうか。
「いえ。
【今回は、楽しかった。また稽古してくれるか?】
「こちらこそ、御願い致します」
【御主、良いな。
「有り難き」
天照大御神の前に、降り立つ。
シャリーン
【どう?】
【十分かと】
【祝福感謝するは】
【いえ、望みました故に】
【......さて、行きましょう】
【......
【
見れば円形の木枠の中に、一羽の
「コレは......」
【必要と
猛は、一礼する。
「心強いです。有り難き」
シャリーン
頭をあげると、もう、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます