第36話 ごちゃごちゃで、複雑怪奇で、面倒くさい。
【ほうほう、これが『オーマのマグロ』の、トロの
これまた
が、少しのワサビと
たまらなく、
コトリ
白い
「次は、こちらをどうぞ」
【これは......オリーブ
「はい。
お口直しにひと皿だけ、
【ありがたい。頂こう】
ひと
良い
【ほーう。良いな、
エンマ♪ たんとお食べ♪
ふと
何世紀も昔の事なのだが。
かかしゃまー♪
ほろり
ヴォーグの目から、ひとすじ
【......タケシ。
「はい」
【
「
ふっ
ヴォーグは、鼻で笑う。
【そんな
猛は『にやり』と、笑い返す。
「申し訳ありません」
胸を張る。
【もう
わははははははは
からりと皆で、笑い合う。
【さて、そろそろセルガと話を進めい。後はハヤブサと勝手にやるで、我らは
「ありがとうございます」
ヴォーグは、苦笑う。
【だから、少しは恐れ要らぬ......】
「セルガさん。こちらにどうぞ〜」
「ヴォーグ様。コチラをどうぞ」
メロンの
【こ、これは! あの『めろんそうだ』か!】
【んんんー♪ シュワシュワが、たまらぬ!】
「はぁ......」
セルガは
【あはは】
天照大神は隣で一緒に、メロン・クリームソーダを味わいながら、ヴォーグ神のチョロさに苦笑いしている
「
出入口は解放しておいて、
「アイサ」
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【ほほーう。
ヴォーグ神は外観より、ずっと広い室内をキョロキョロ見渡す。
「さて、や〜っと、
「あはは」セルガは苦笑いするしか無い。
【タケシ。何か言っ......】
コトリ
【!......コレは......『もんぶらん』か!?】
すっ
新たな
【......うむ......『
その内『
【ぶほっ】
ゴホッ!ゴボッホ!......グエッホ!......ガハッ!......ブォッホ!......
あ、いかん。
栗のムースが、鼻に入ったかな?
【ブホップ!】
じろり
最高神さまがツボり
知らんがな!
「......始めましょう。現在の国内の情勢は、
「はい。魔獣や魔族による直接の被害は、日々増えています。
特に日が落ちてから明け方までは『
大の大人でも出先で
はぁ
「この『
セルガは一つ、ため息をつく。
「しかし
「...... 成る程...... では、現在王侯貴族の中で、
「えーと...... 」
ちらりとワードマンさんを
「これセルガ。
次に、龍神ニーグを
「...... 我もじゃ。人族の役職に
「...... つまり、ここには現状況を
「そっ、そう言う件は
『
「...... ふむ...... メルダさんは、
「はい! 教会で私の右腕です。
「わかりました。では連絡を取りましょう...... 彼女への連絡方法は?」
「はい。魔法が使える
セルガさんが左手の甲を、自分の
たゆん
......あぁ、アームレストにもなるんだ......
「メルダへ、
彼女の手の平の上に、青白く細い光線で描かれた小さな
コロ~ン
小さなベルが鳴った様な、優しい音色の呼び出し音が、魔法陣から流れ出す。
『セルガ様! 良かった♪
可愛らしいコロコロとした印象の声が、慌てた様に返答して来る。
「ありがとう。無事です。周囲に誰か居りますか?」
『ちょうど自室に入る所です。
魔法陣は、しばし無音となる。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
コロ~ン
『
「ありがとう、メルダ。それでね、新たにおいでになった勇者様が、現在のヤーディンの
『うぇ?!......
そうですね......
と言う様に、王侯貴族それぞれの『ステータス』が異なって居りまして、発生した案件に寄り『
おっと。すごい勢いで、
「メルダさん、初めまして。えーと...... ニーグ様の
『...... 』
「...... あれ? メルダさん?」
実はこの時メルダの腰は、初めて聞く
(...... この声、や......ヤバい......(汗)
『...... あ、その、失礼致しました! 勇者様に突然のお声掛け頂いて......
メルダは、なんとか
「これは失礼しました。大丈夫ですか?」
『だ、大丈夫です』
「良かった。早速ですが、メルダさんに御願いがあります」
『喜んで』
「...... 御願いの内容を、確認しないのですか?」
『は?...... はぁ。
そうか。こっちは封建社会だっけ。上位の者に
「えとですね。セルガさんとの
『どうぞどうぞ!
「では...... 」
ヴォン
座る四人のセルガと
セルガさんと同年代くらいかな?
ザザッ
現れた少女の
左隣に座るセルガに気が付いたのか、『ギギギギ』と
セルガと
「め......メルダ。大丈夫ですの?」
『せ......セルガ様こそ!大丈夫ですか?こんなに
「え? そんなに
『濃いだけでは有りません! やはりこちらの勇者様の魔法式は、これまでにも見たことが無い程、複雑で
やはり
実は『テクノロジー
最高神さまが、言う通りなのだろう。
ので本当はメルダの
メルダとの通信情報量は『メルダ側の魔法式が
だからメルダの立体映像も、少し不安定だ。
「メルダさん」
『は、はいっ!』
「顔合わせは初めてに成りますね。色々と御指導下さい。私の質問に、ゆっくりお答えください」
お・も・て・な・し、をするホテルマンのような、優しい
メルダの顔は、ボン! と真っ赤に上気する。
『ひゃい。
メルダの両手は、不審な動きを始める。
「では...... 先ずはこちらの
あえてメルダの
副司祭と言う立場なら、普段から
何より常に
『はっ!』
思った通り、メルダの表情は引き締まる。
『え〜......とぉ......』
が、彼女はしばし考えこんでしまう。
『...... 当国へ
メルダが改めて考えると、約千年の歴史のなかでゴチャゴチャにこんがらがった『足の引っ張り合い』な政治形態を、どこからどう説明を始めて良いやら悩ましい。
助言を求めて、ちろりと
(まったく!)
とりあえず、ザックリ解説しよう。
『あ〜 え〜 国勢大まかな情勢を述べますれば、ヤーディン大国軍と、国境を接する
「ほう、国土の広さの差では無いのですね。その五国連合にも、注意するべきと」
『え〜 はい...... それだけでは無くてー』
「え?」
『歴代の勇者様方々や、勇者様
「え?
『はあ...... はい。ヤーディン大国の
現在『
あぁ、『
「はい!? ...... 五十七名それぞれに『
そんなに
...... 肝心の
「
どこが問題点か、理解が早い。
その通りじゃ。
更には五十七名それぞれに地域の有力聖職者や王侯貴族がパトロンに付き、それぞれが『その地域の
「...... 六ヶ国全土に及ぶ魔族勢力に対して、それぞれが『地域紛争』に終始しているのですか?
...... 不味いですね。今日みたいな巨大魔人や魔王軍の様な『巨大勢力』が侵攻して来たら、勇者同士が
「...... 正しくタケシ様のおっしゃる通りなのです。実は四代前様の王家主導で『
「あぁ。それでアキヨシ・ハナマサ勇者管理省長は、タイ公爵と同等に(偉そうに)振舞っていたのですね」
「はい。現在の
セルガさんは感情の消えたガラスの様な目で、疲れ切った口調でつぶやく。
「発案される全ての魔王軍対策案に、必ず各地域勇者様の誰かから『横槍』が入るのです。もう『あちらを立てればこちらが立たず』な状況に
セルガさんはそのまま焦点の合わ無い目をして、途方にくれる。
「なるほど。六ヶ国それぞれの、有力聖職者や王侯貴族の『主導権』争いですか。......もう『
苦笑しながら、ズバリと指摘する。
「わかるかの」
「先ほど、
皆様武勲の大小にも、ビンカンにでしょう。
得てしてそう言う方々は『捕らぬ狸の皮算用』をするものです。
...... しかし何でこんなに多くの勇者と言い、『こんがらがった』状況に?」
「はい。『こんがらがった』そもそもの話から始めさせていただきます。
えと、先ずヴォーグ教の始祖には、
セルガさんが、ガラスの様な死んだ眼差しのまま、話し出す。
「ほう」
「五人の弟子が、ヴォーグ教布教の為に
「ふむ」
「それぞれにの神殿の元に人々は集まり......時を経て、それぞれの神殿が『神の名の下に王を指名』し、五国連合それぞれの首都となったのです」
「うわ......あー。だから、六ヶ国それぞれが『勇者召喚の秘技』が使えるのですね」
「...... はい」
『......更にですね、ヤーディン大国や五国の教会の歴史が進めば、それぞれに始祖様に匹敵する才能の神官も生まれて来ます。才能と実力があれば、『オラがヴォーグ教のトップに』と言う野望も生まれますよね......』
メルダさんもJKの様に若いのに、
「むぅ...... 各地域
『はい...... ですが一回の召喚に必要な
「...... なるほど。どこかの神殿の召喚陣で一回召喚式を行えば、数年は他の神殿の召喚陣は使えなく成ると」
「はい。『
ですので、召喚陣を有する地域ごとの『召喚式への牽制』や、地域ごとの勇者様同士の『足の引っ張り合い』は凄まじいものが有ります......
ですので、地域によっては
「...... 魔王軍に立ち向かうはずの勇者同士が、地域ごとの有力聖職者や貴族の都合で、いがみ合ってきたと。
あぁ、『
「はい。『奴隷首輪』魔法が使える地方聖職者も居ります。
『奴隷首輪』に逆らえなかった勇者様も居られます。
そうした勇者様同士の影の戦いで、大事な穀倉地域が広大に吹き飛んだ事例も......
私が『王意叛意者』とされ、
「俺たちに無許可の召喚は許さねー、と...... ふむ、面白い」
意地悪い笑顔を浮かべる。
「...... まぁ御主はハナマサ省長の目の前で、最上級
セルガの件は『無かったこと』にされるやもな」
龍神ニーグも、ニヤリと意地悪い笑顔を浮かべる。
全員がニーグの意見にうなづく。
「王家が虚勢を張るためには、それしかないでしょうねー」
猛は、乾いた微笑みで答える。
「なんじゃタケシ。見てきた様なモノ言いじゃの?」
「私の世界でも......地域紛争での『格部族の長』たちの調停を、さんざん行いましたからね。
王家でござい!とがなる
メルダさんを見る。
「では次に、要注意人物や勢力は?」
『えーとー』
メルダさんは、右手人差し指を右コメカミに当て、しばし考えこむ。
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