第132話 魔晶石

「グリフォン様。」

「なんだ?」


偏ってるね……と呟いた養父がグリフォンに声をかけた。


「全属性持ちかラハートフじゃないとダメなのかな?」

「うむ?」

「魔晶石に魔力を込めるのは別にラハートフやエリザ様じゃなくてもいいんじゃないのかな?」

「うむ……」

「僕は水と土属性持ちで妻は火と風と光、闇属性持ちなんだ。それに妻は魔力を見える魔眼持ちだから、属性が偏っている魔晶石を均等にできるんじゃないかと思うんだ。」


「……邪神の呪いに対しては二人ではなければいけないが、魔晶石になら魔力を均等に多く込めることができるなら二人じゃなくてもいいかもしれぬ。」

「やっぱり。」

「しかし、邪神の呪いに対抗できるかはわからぬ。」

「対抗できるといいな。二人の負担が減るから。」

「マジルド様。」

「父上。」

「というわけでいくつか魔晶石を貰ってもいいですかっ?」

「「……」」


養父がめっちゃ弾んだ声でグリフォンに聞いた。


負担が減るというのもあるかもしれないけど、あれは魔晶石が超欲しい!的な感じだ……

ちょっと感動したのを返してほしい。


「我は構わぬ。」


養父がきらきらした目を俺に向ける。


「……いいよ。」

「ありがとう!」


許可をすると養父は早速大サイズの魔晶石を三つ、収納の魔法を使って仕舞い 

、中小のサイズの魔晶石をいくつか取り、養母と一緒に魔力を込め始めた。


「もっと水の魔力を」

「わかった。」

「もう少し土の魔力を」

「うん。」

「魔力を込め過ぎだ!」

「ごめん。」


養母が魔力を見ながら、養父に指示を出している。


「土の魔力を少し」

「うん。」

「だから少しって言ったでしょ!」

「少し込めたよ!もっと早く止めてよ!」

「あなたが上手くやらないと私が多く魔力を込めないといけないじゃない!」

「指示通りやったよ!」


養夫婦が言い争いしながら魔晶石を渡し合い、どんどん均等に全ての魔力が込められた魔晶石を作っていく。


「おお。」

「全て属性の魔力が均等になると本当に透明になるのねぇ。」


広範囲特級火魔法『ハイフレア』などド派手な魔法を好んでばんばん使う養母の方が細かい魔力操作、魔力制御をするんだよなぁ。


「私達もやるわよ。」

「はい。」


俺とエリザお嬢様も魔晶石に魔力を込める。



「ラハートフの魔晶石と同じように見えるわね。」

「そうだね。」


養夫婦が自身で込めた魔晶石と俺が込めた魔晶石を見比べている。


「エリザお嬢様とも同じね。魔力も一緒に見えるわ。」

「そうなの?」

「えぇ。」

「じゃあ邪神の呪いに対抗できそうだね。」

「その可能性は高いわね。」


養母がエリザお嬢様が込め終わった透明度が高い魔晶石を見て言った。

俺はただ魔力を込めるだけでいいらしいが、エリザお嬢様は一旦均等にしてから込めなくていけないらしく、義姉兄に協力してもらいながら魔力を込めている。


「こう、ぽんぽんと全属性の魔力を込めるとはずいぶん人の子の魔力量が増えたものだな。」

「それはラハートフのおかげですよ。」

「「ラハートフのおかげよ(だよ)。」」

「ほぉ。」

「ラハートフが五歳の時に魔力量の増加方法を教えてくれました。今もそれを続けていて魔力量が増加しています。」

「なに?!今も増加しているのか?!」

「はい。」

「……それは我でもできるだろうか?」


エリザお嬢様が俺を見てきたから頷く。


「簡単なことなのでできると思いますよ。」

「……教えてくれぬだろうか?」


エリザお嬢様がまた俺を見てきたから頷く。

エリザお嬢様はグリフォンに説明する。


説明って言っても、できるだけ魔力を使い切るというだけなんだけどな。


あと魔力量が多くなった時や早く魔力切れを起こすための魔力を多く込めて使う魔込魔法や複数同時に使う複同魔法なんかもエリザお嬢様はグリフォンに教えていた。


あぁ、眼鏡をかけた教師コスプレしたエリザお嬢様に教わりたいなと教えている姿を見て思った。


ーーーーー

あとがき

最後まで読んでいただきありがとうございます。

評価、フォロー応援ありがとうございます。


面白くなくなってきてもフォローを外さないでください。

面白くなってきたら☆を足してください。

フォロー応援もよろしくお願いいたします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る