第130話 令嬢と従者と聖獣
「ドラゴン様、ありがとうございます!」
「「「ドラゴン様万歳!」」」
「「「オルヴェルド公爵様万歳!」」」
「「「オルヴェルド公爵軍万歳!」」」
「「「エアルリーザ様万歳!ラハートフ様万歳!」」」
宿の外、街は一度目に続き魔物の襲撃をあっという間に殲滅したことでお祭り騒ぎが続いていた。
俺とエリザお嬢様は目を合わせ頷き気配を消して、グリフォンが待つ壁門へ向かった。
俺達が救援に来た者で、活躍をしたという話が広がっているらしく、何もしないまま出歩いたら、オルガの街の人達に囲まれてしまうことが予想される為、気配を消して歩く。
「「……」」
「グリフォンにかかった呪いがエアルリーザ様を襲いかかろうとした時!」
吟遊詩人が歌っていて、俺はエリザお嬢様の名を、エリザお嬢様は俺の名を聞いて俺達は足を止めてしまう。
「「「ごくり。」」」
「ラハートフ様が愛の力でエアルリーザ様を守った!」
「「「おお!」」」
「しかし弱まった呪いの力でも人には強烈な呪いだった!」
「「「あぁ……」」」
「苦しむラハートフ様に近づくエアルリーザ様をラハートフ様は『来ないでください!』と遠ざけた!」
「「「うぅ……」」」
「呪いに犯されて苦しむラハートフ様は自身の死を予知し、エアルリーザ様に言った。」
いや、予知していないから……
「「「うぅ……」」」」
「『どうか、幸せに、なってください。』と。」
いや、そう思っているが言ってないから……
「「「ラハートフ様、うぅ……」」」
観客が涙を流している。
「そう言ったラハートフ様にエアルリーザ様は『あなたが側にいてくれなければ、幸せにはなりません。』」
そう言われたら、幸せ死してしまうかもな。
「「「エアルリーザ様、うぅ……」」」
「『あなたと共に……』とエアルリーザ様は言って、ラハートフ様を抱きしめ、少しでも呪いを、とラハートフ様から引き受けようとした!」
「「「うぅ……」」」
「エアルリーザ様を愛するラハートフ様がそれを許すわけなく、呪いを自身に押さえ込む。」
「「「ラハートフ様、エアルリーザ様……」」」
「それを正気を取り戻しつつあった聖獣、グリフォン様が見ていた!」
シーラお姉様に叩き起こされたよな……
「「「!」」」
「二人の愛にグリフォン様は残っていた力を使った!」
「「「!」」」
「聖獣の聖なる力がエアルリーザ様とラハートフ様を包み、呪いを消し去った!」
「「「おお!」」」
「呪いが消えたラハートフ様とエアルリーザ様はグリフォン様に駆け寄る。」
「「「あぁ、グリフォン様……」」」
「『我は死なぬ。』とグリフォン様の力のない言葉にエアルリーザ様とラハートフ様は涙を流すのを堪える。」
「「「うぅ……」」」
「『我は死なぬ。暫し、眠るだけだ。我が目覚めた時、そなたらの愛が続いていることを、我は夢見る。』と言い目を閉じた。グリフォン様の身体が淡く光輝く。」
「「「あぁ、グリフォン様……」」」
「エアルリーザ様とラハートフ様は手を繋ぎ『私(俺)は彼(彼女)を愛し続けることを神様とフェンリル様、そしてグリフォン様に誓います。』と誓約した。」
「「「素敵……」」」
「「「羨ましい……」」」
「するとグリフォン様が光になりエアルリーザ様とラハートフ様の二人に降り注ぎ、二人を包み、二人の中へ吸い込まれていった。グリフォン様の祝福はグリフォン様が目覚める時まで続くでしょう。エアルリーザ様とラハートフ様の愛もいつまでも続くでしょう。」
吟遊詩人が礼をする。
俺とエリザお嬢様は無言で少し俯きながら、気づかれぬようその場を離れた。
後ろから大喝采が聞こえる。
事実とは違うし言ってないこともあったが、自分達の愛がとか言われ恥ずかしくて顔が暑く、たぶん赤くなっている。
ちらっとエリザお嬢様を見ると同じくこっちを見たエリザお嬢様と目が合ってすぐに逸らし、逸らされた。
エリザお嬢様も顔を赤くしていた。
か、可愛い……
早歩きになるエリザお嬢様を追いかけ、隣に並び同じく早歩きで壁門へ進んだ。
ーーーーー
あとがき
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