第125話

息苦しさで目が覚めた。


「ん。」

「っ!?」


息苦しさの原因を取り除こうと顔に当たるものを押したら、手に柔らかく温かい触感がして、耳に高く短い声が聞こえた。


頭が覚醒していき、嗅覚に良い匂いがして、状況をなんとなく察し、冷や汗が流れまくる。

抜け出そうにも頭と身体を抱えられ、引き剥がそうにも触れることに躊躇してしまう。


な、なぜ、こうなっている?

間に子供達がいたじゃないか?


もしかして、エリザお嬢様って寝相がめっちゃ悪い、のか?


可愛い一面だが、今は非常にヤバい場面だ……


「んー。ん?」


ぎゅっと抱き締められる。


柔らかい……

ヤバい……


「えっ?」


エリザお嬢様が気がつき、抱き締めが緩まる。

エリザお嬢様が俺を起こさないようゆっくりと動き、離れた。


温もりがなくなり少し残念に思うが、必死に寝たふりをする。

これが、最善だ、たぶん……


深呼吸する息遣いと衣服の擦れる音が聞こえる。


すごく、どきどきする……


コンコンコン


「エアルリーザ様、ラハートフ様、いらっしゃいますか?」


ここで起きるタイミングだな。


「ん?」


今、目が覚めた風に目を擦りながら身体を起こす。


「エリザお嬢様?何か言いましたか?」

「い、いえ、私じゃなく、宿の人だわ。いるか確認しに来たみたいよ。」

「そうですか。私が出ますね。」


完っ璧っ!


立ち上がる際、部屋を見ると子供達の配置は寝る前と全然違っていた。

子供達の方が寝相が悪かったようだ。

お腹を丸出しの子供の服を直し、タオルケットをかけて扉に向かい、開けて宿の人と話す。


「すみません。少し寝ていました。」

「そうでしたか。昼食になってもいつまでも降りてこないものでしたから、声をかけさせていただきました。」

「もうそんな時間でしたか。まだ食事をできますか?」

「はい。大丈夫ですよ。」

「では、子供達を起こしてから行きます。」

「わかりました。」


扉を閉める。


「結構な時間、眠ってしまいましたね。」

「えぇ、そう、ね。」

「子供達を起こして、食堂に向かいましょうか。」

「えぇ、そう、ね。」


返事をするがエリザお嬢様は動かない。


「エリザお嬢様?」

「えぇ、そう、ね。」


エリザお嬢様がRPGの決まった台詞を繰り返すNPCみたいになっている。

エリザお嬢様の前で手を振る。


「!ラハートフ、どうしたの?」

「大丈夫ですか?」

「すーはー。えぇ、もう大丈夫よ。」

「そうですか。なら昼食の時間なので子供達を起こして食堂に行きましょう。」

「わかったわ。」


二人で手分けして子供達を起こして食堂に向かった。


ーーーーー

あとがき

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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話を纏めたため、話がずれてコメントもずれています。

消したくないので、流してください。

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