第124話 幸福感


エリザお嬢様と宿に戻り、子供達のいる部屋をノックし声をかけてから扉を開けた。


「「「よがっだあああ」」」


子供達が泣きながら走ってきて俺とエリザお嬢様に抱きついてきた。

一人一人、頭を撫でる。


「「ただいま。」」

「「「おがえりなざいいいい」」」

「ほら、俺もエリザお嬢様も怪我してないぞ。」


エリザお嬢様がちらっと俺を見た。


「えぇ、そうよ。無事だから泣き止んでほしいわ。」


子供達の頭を撫で続けて、数分経過して泣き止んだ。

部屋全体と俺達にプチクリーンをかけ、プチボックスから絨毯を出し床に敷き、そこに皆と座る。


「あーあー、また目を腫らして。はい、皆、目に冷たいものを被せるから、目を瞑って。」

「「「うん(わかった)。」」」


また目を腫らした子供達の目に冷やしたゲル状のプチウォーターを被せる。


「ちゅめたーい」

「つめたいっ!」

「きもちいい。」

「暫くそのままな。」

「「「はーい。」」


子供達が手を上げて返事をした。

エリザお嬢様が微笑みを浮かべ子供達を見ている。


天使様の笑み。

浄化されてしまう。

子供達もエリザお嬢様もかわええ。


「ラハートフおとうさん、」

「それっ!」

「「「わあっ!」」」


魔物の襲撃のせいで忘れておったわ!

俺とエリザお嬢様をお父さんお母さんって、まるで、まるで、子持ちの夫婦ではないかっ!

生まれが村の子と公爵令嬢ではあり得ないけど、ヤバい……


ラハートフはあり得ない妄想でニヤけそうになる顔を力を入れポーカーフェイスに装う。


「おおきいこえ、びっくりした。」

「ごめん。ラハートフお父さんとえ、エアルリーザお、お母さんって、夢で言われたんだって?」


恥ずかしくてどもってしまいましたっ!


「うん、おかあさんにいわれた。」

「「「おとうさん(おにいちゃん)(おじいちゃん)にラハートフおとうさんとエアルリーザおかあさんのこどもになりなさいっていわれた!」」」


「ごめんなさいね。」

「「「?」」」

「?」


エリザお嬢様の突然の謝罪に子供達が、俺も一緒に首を傾げた。


「今すぐには私達の子供にはできないのよ。」

「「「えっ?」」」

「えっ?」


エリザお嬢様の口から私達の子供、だと?

私達の子供……


エリザお嬢様と俺の子供……

エリザお嬢様の子供……


絶対、可愛いに決まっているっ!


ラハートフの脳内では高速に妄想が流れる。


「「「や``だっ!」」」


子供達の涙声に現実に戻る。

また子供達が涙を溜めている。


「泣くことではないわ。」

「「「ん``?」」」

「私、今すぐにはと言ったわよね?」

「「「う``ん``。」」」

「成人、私達はあなた達と一緒でまだ子供だから、大人にならないとあなた達を子供にできないのよ。」

「「「ぞう``な``の``?」」」

「そうだよ。」


そうなのかわからないけど、涙目の子供達に聞かれ咄嗟に肯定してしまった。

まぁ、エリザお嬢様が言ったんだから、そうなんだろう。


「えぇ、そうなの。なるべく一緒にいられるようにするけど、私達の子供になるのは学園を卒業まであと二年待ってちょうだい。」

「「「う``ん``、わ``がっだ。」」」


ゲル状プチウォーターを解除して子供達の涙を拭き取り、また冷やしたゲル状のプチウォーターを被せる。


子供達は短時間で激しく感情を揺らしたからか船を漕ぎ始めた。


「一緒に寝ましょうか。」

「「「う``、ん……」」」

「い、いいんですか?」

「いいのよ。いつかのためのれ、練習よ。」


なんとなく再度、部屋全体と座っている絨毯と俺達にプチクリーンをかけた。

エリザお嬢様が横になる。

子供達も横になった。


「そ、そうですか。」


少し緊張しながら同じく横になる。

エリザお嬢様と俺の間に子供二人がいるが、凄く意識してしまう。


すぐに子供達のすーすーと寝息が聞こえ始めた。


「あなた、」

「!?」


エリザお嬢様の小さな声にえっ?と思い、エリザお嬢様の方を見た。

「ふふっ。」と微笑みを浮かべるエリザお嬢様と目が合う。


「結婚もしていないのに子沢山になってしまったわね。」


慈愛に満ちた表情でエリザお嬢様が近くの子供達の頭を撫でる。


「っそ、そうですね。」


なんという母性力っ!


エリザお嬢様が出す優しさと温かさに緊張が和らぎ、安心させられてしまった。


エリザおかあさん、さいこう、だいすき。


ーーーーー

あとがき

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