第122話
「恨まれても仕方がない。」
「恨んでませんよ。グリフォンは悪くないです。呪いをかけた奴らが悪いんです。」
「そう言われると少しだけ罪悪感が薄まるな。」
「そいつらが悪いんです。どんな奴らだったんですか?」
グリフォンがもう一度謝罪をした後、小さな声で感謝の言葉を漏らすように言った。
「人の子らは雄と雌どちらもいたのはわかるが、顔はローブで隠していたからわからない。」
「特定できませんね。」
「エリザくらいの雌の子供に従っているように見えたな。」
「どうしてそう思ったんですか?」
「『あいつらも聖獣には敵わないでしょう。』『そうですね。これで運命が修正されますね。』『えぇ、正しい運命になるでしょう。』と」
「「「……」」」
グリフォンが女の声と男の声に変えて言った。
「グリフォンに誰かを殺させたかったんですね。」
「グリフォン様、呪いの影響でこちらの領へ来たのですか?」
「そうだと思われる。迷うことなくこっちに向かっていて、お主達を視界に入れた途端、呪いが強まった。」
「そうなるとやはり私達が狙いですか……」
「「「……」」」
全員が誰かしら心当たりがある人物達が頭を過る。
敵対貴族、王族なんかも公爵閣下を貶めたいと思っているだろうな……
でも、運命か……
運命と聞いて転生者のことを思い浮かべ、帝国皇子やヒロイン?や濃い桃色の髪の女がラハートフの頭を過った。
女の声で帝国皇子、話し方でヒロイン?は除外されるな……
それにヒロイン?はほぼ一緒にいたし、『ゲート』のような転移系魔法が使えないはずだから無理だろう。
彼女が実は、狙っていたとか出会ってから本気で本音も使える魔法も隠していたら、わからないけど……
たぶん、それはないと思う、思いたい……
濃い桃色の髪の性女はドラゴライヴェルド王国内を慰問しまわっているとははじめの頃は聞いていたが、最近のことは何処で何をしているのかは知らない。
しかし、彼女はエリザお嬢様の話を聞かず、異様に公爵閣下は亡くなっているとか言っていたからな。
生きているはずがない、正しい運命じゃない。
よし、殺ろう。
呪いで狂ったグリフォンを嗾けよう。みたいな感じとか?
「ローブを着ていた男女だけでは考えても特定できませんね。」
「そうだな。グリフォン様、邪神の呪いを防ぐ方法はありますか?」
「兎に角触れぬことだ。呪いの量、強さにもよるが触れたら最後だ。解呪できるのは我ら聖獣かエリザのような全属性持ちだけだ。」
「私は運が良かったんですね。」
「運が良かったかもしれぬが、お主が邪神の呪いを腕に行かぬように魔力で止めていたのも、無事であった理由でもあるぞ。」
「我慢していただけですけど、止められるんですね。なるほど……」
止めることができるなら、対処できるんじゃないか?
解呪はグリフォンやエリザお嬢様になんとかしてもらうけど……
「お主も全属性持ちなのであろう?」
「いいえ、私はどの属性の適性を持っていません。」
「!!」
グリフォンが見開いて動きを止める。
目の前で手を振っても反応が返ってこない。
「固まるほど適性無しが珍しいんですかね?」
「違う意味で固まっているように見えるけど。」
「違う意味ですか?」
「えぇ。『適性無しだとっ!あり得んっ!』という感じに驚いて固まっているように見えるわ。」
「……」
エリザお嬢様が今まで長い時間一緒にいたけど聞いたこともない低音な格好良い声で言った。
グリフォンの声真似だろうか?
声は全く似ていないけど、良いっ!
格好良すぎないっ?
最っ高に良いんだけど!
エリザお嬢様の痺れる声で耳元で囁かれたら、腰が抜けちゃうね、女の子なら。
というかエリザお嬢様が声真似するなんて、新しい一面を見れた。
グリフォンが固まっている理由なんて忘れ俺は感動し、幸せを感じていた。
ーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただきありがとうございます。
評価、フォロー応援ありがとうございます。
面白くなくなってきてもフォローを外さないでください。
面白くなってきたら☆を足してください。
フォロー応援もよろしくお願いいたします!
話を纏めたため、話がずれてコメントもずれています。
消したくないので、流してください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます